薬局に行って湿布を買おうとしたら迷ってしまった。そんな経験はありませんか?湿布はいろんな種類があり、湿布だけでなくテープ剤なども増えてきています。

今回は、実際に市販薬をいくつか挙げて比較してご紹介したいと思います。

目次

市販薬の湿布剤・テープ剤の紹介

以下に、薬局でよく見られるメーカーの湿布剤・テープ剤に関する情報をまとめます。

本記事では、湿布を第1世代・第2世代の2つに分類した上で、第2世代については有効成分となる成分名を記入しています。
この分類については、「湿布にも使い方がある!正しく理解して安全に使おう!」をご覧ください。

  • 第1世代:サリチル酸メチルやビタミンEが有効成分の古くからある世代
  • 第2世代:解熱消炎鎮痛剤NSAIDsを含有する鎮痛効果が高い世代

湿布を使うときの注意事項

下記で紹介する全ての薬剤において、56日間使用しても症状が良くならない場合は使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
その際は、外箱を持っていくと良いでしょう。

また、下記で紹介する薬のうち2世代では、使用中あるいは使用後、まれにショック(アナフィラキシーの症状が起こることがあります。

皮膚のかゆみ、じんましん、声のかすれ、くしゃみのどのかゆみ、息苦しさ、動悸、意識の混濁等がみられた場合、すぐに医師の診察を受けてください。

加えて、ジクロフェナク・ケトプロフェンという成分を含む薬では使用中あるいは使用後、まれに接触皮膚炎・光線過敏症が起こることがあります。
これは、湿布を貼った箇所に強いかゆみを伴う発疹・発赤やはれ、刺激感、水疱・ただれ等の激しい皮膚炎症状や色素沈着、白斑があらわれる症状です。症状が全身に広がることもあります。

これらの症状は、日光が当たった場所に現れることもあります。上記の症状がみられた場合も、すぐに医師の診察を受けてください。

それでは、ここからは実際の製品をいくつか紹介していきます。「禁忌」と記載がある人は使用を控えてください。

サロンパスフェイタスシリーズ:久光製薬

名前 世代 剤形 特徴・禁忌など
サロンパス 第1世代 プラスター剤 薄型で貼りやすい
のびのびサロンシップ 第1世代 シップ剤(冷感) 伸縮性をもたせている
フェイタス 第2世代
フェルビナク
シップ剤(冷感) 15歳未満・妊婦禁忌
喘息既往禁忌
フェイタス温感 第2世代
フェルビナク
シップ剤(温感) フェイタスと同様の禁忌
入浴1時間前には剥がす
フェイタスZ 第2世代
ジクロフェナクナトリウム
テープ剤 15歳未満・妊婦禁忌
喘息既往禁忌
他の外用鎮痛消炎剤との併用禁忌
接触皮膚炎・光線過敏症に注意
フェイタスZシップ 第2世代
ジクロフェナクナトリウム
シップ剤(冷感) 15歳未満・妊婦禁忌
喘息既往禁忌
他の外用鎮痛消炎剤との併用禁忌
接触皮膚炎・光線過敏症に注意

パテックスシリーズ第一三共

名前 世代 剤形 特徴・禁忌など
パテックス
うすぴたシップ
第1世代 シップ剤
(冷感)
薄型ではがれにくい
腰痛パテックス 第1世代
※生薬成分・トウガラシ成分のみ
シップ剤
(温感)
ソフトロンが腰を支え、保温効果が持続
入浴1時間前には剥がす
パテックス
フェルビナスターV
第2世代
フェルビナク
テープ剤 15歳未満・妊婦禁忌
喘息既往禁忌
パテックス
フェルビナスターシップ
第2世代
フェルビナク
シップ剤
(冷感)
15歳未満・妊婦禁忌
喘息既往禁忌

ボルタレン:ノバルティス

名前 世代 剤形 特徴・禁忌など
ボルタレンEXテープ 第2世代
ジクロフェナクナトリウム
テープ剤 15歳未満・妊婦禁忌
喘息既往禁忌
他の外用鎮痛消炎剤との併用禁忌
接触皮膚炎・光線過敏症に注意

バンテリンシリーズ:興和

名前 世代 剤形 特徴・禁忌など
バンテリン
パップS
第2世代
イントメタシン
シップ剤
(冷感)
15歳未満禁忌
喘息既往禁忌
※注意:下記参照

バンテリンシリーズ等のインドメタシン製剤は妊婦禁忌ではありませんが、できれば使用しない方がいいでしょう。内服の場合のインドメタシン製剤では、妊娠又は妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌とされています。

ロイヒシリーズ:ニチバン

名前 世代 剤形 特徴・禁忌など
ロイヒつぼ膏 第1世代 プラスター剤
(温感)
ノニル酸ワニリルアミドの血行改善により効果を発揮
一度に複数枚使用する
入浴の30~60分前には剥がす
ロイヒ温シップ
フェルビナク
第2世代
フェルビナク
シップ剤
(温感)
15歳未満・妊婦禁忌
喘息既往禁忌
入浴1時間前には剥がす

ロキソニンシリーズ:第一三共

名前 世代 剤形 特徴・禁忌など
ロキソニンSパップ 第2世代
ロキソプロフェン
ナトリウム水和物
シップ剤
(冷感)
15歳未満禁忌
喘息既往禁忌
ロキソニンSテープ
/テープL
第2世代
ロキソプロフェン
ナトリウム水和物
テープ剤 15歳未満禁忌
喘息既往禁忌

以上14商品について簡単にまとめました。

どんな選択をしたらいいのか?

以下は、紹介で付した番号で分類します。

小児の場合(15歳未満)

NSAIDsといわれる成分の入っていない製品を使用します。購入する前に、必ずパッケージを確認し、15歳未満でも使用できると記載されたものを使用してください。痛みや炎症が激しい場合は、医療機関を受診しましょう。

①、②、⑦、⑧、⑩、⑬

妊婦または妊娠している可能性のある婦人

湿布等の使用にあたっては、主治医に相談したほうが良いでしょう。基本的に、NSAIDsの入っていない製品を使用します。

①、②、⑦、⑧、⑬

急性の痛み:冷感タイプ又はテープ剤

①、②、③、⑤、⑥、⑦、⑧、⑪、⑫、⑮、⑯

特に、腫れがみられたり、熱を持っていたりするときは、冷感効果のあるものを選ぶとよいでしょう。

慢性の痛み:温感タイプ

④、⑧、⑬、⑭

夏場

紫外線の強い時期は、できれば光線過敏症のリスクを避けた方が良いと考えられます。⑤、⑥、⑪以外を選ぶとよいでしょう。

最後に

今回ご紹介したの湿布剤は、市販薬のうち一部です。お近くの薬局・薬店で相談し、ご自身の症状に合ったものを選びましょう。
特にお子さんや妊婦さんなど、使用できる薬剤に制限がある方については必ず相談し、ご自身でも添付文書やパッケージを確認した上で購入してください。

内服薬と比べると手軽に感じられる湿布薬ですが、あまり使いすぎると成分の血中濃度が高くなりすぎてしまう恐れがあります。用法・用量は守り、正しく活用してくださいね。