日本人の食生活は過去50年間の間に大きく変化しました。総摂取カロリーはほとんど変わっていないものの、動物性脂肪、砂糖、アルコールなどの摂取量が増加し、肥満に繋がる原因となっています。

「肥満は万病のもと」という言葉があるように、肥満は糖尿病動脈硬化、心臓疾患、脳血管疾患など様々な病気の原因となります。

また、交通機関の発達などから運動習慣の減少も見られるようになっており、健康的な体を維持するためには肥満を改善する生活習慣を作ることがとても重要です。

目次

どこからが肥満なの?

肥満を判定する指標に、BMI(Body Mass Index 22というものがあります。

BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))という式から求めることができ、算出された値が25以上だと肥満と判定されます。

また、この値が22の時に最も健康的な体重になります。つまり、身長の2乗に22をかけることで適正体重を求めることができるのです。

 

例えば、160cmの人の適正な体重(BMI=22)は、1.6(m)×1.6(m)×22=56.3(kgと求めることができます。さらに、1.6(m)×1.6(m)×25=64.0(kg)以上だと肥満といえます。

このような指標を使って、自分の体格が肥満かどうか簡単にチェックすることができるのです。

隠れ肥満にご注意!

最近増えてきているのが、BMI値は正常でも体脂肪率が多い、隠れ肥満体質の人です。

BMI値では体脂肪率を計ることができないので、体脂肪計を使用して把握しておく必要があります。

BMI値では筋肉量の多い人も肥満となってしまったり、隠れ肥満でも痩せや標準と判断されてしまったりするという難点もありますので、二つの指標を組み合わせるとより正確な判断ができます。

肥満になる原因とは?

肥満 原因

肥満には、原因が特定できない一次性肥満と、原因がはっきりと分かる二次性肥満があります。

二次性肥満は遺伝や病気、病気のための薬剤の使用などによるものなどが挙げられますが、一次性肥満は食べ過ぎや運動不足などによるものが多く、9割はこの一次性肥満だといわれています。

二次性肥満の治療は原因となる要素を取り除くことで改善されていきますが、一次性肥満の場合は生活習慣の是正をし、規則正しい生活を送ることで改善していくことが多いです。

一次性肥満の原因

  • 過食
  • 誤った食事方法
  • 運動不足

など

肥満がもたらす病気とは?

肥満自体は病気ではないのですが、肥満によって血清脂質が増加していたり、血糖値が上昇していたり、何らかの合併症が見られて医学的に治療が必要と認められれば肥満症と診断されます。

肥満症の場合はもちろん、BMI値が25以上の場合は合併症を併発しやすくなりますので、生活習慣を改善し治療をしていく必要があります。

肥満が原因の一つとして起こると考えられる病気は以下のとおりです。

循環器系

脳外科系

  • 脳卒中

呼吸器系

骨格系

  • 腰痛
  • 変形性関節症
  • 腰椎すべり症

内分泌系

その他

など

まとめ

以上のように、肥満が原因となって起こる可能性がある病気は沢山あります。太ってきたなと思う前に、自分の生活習慣の乱れに気が付くことが大切です。

普段から食べ過ぎや偏食に気をつけ、適度な運動を行い、健康的な体づくりを心掛けましょう。

肥満がなぜいけないのか分かったら、今度はその肥満を解消する必要があります。詳しくは、「肥満から抜け出したい!~肥満を解消するための食事のポイント~」をご覧ください。