なんだか喉がイガイガする。食べ物はおろか唾を飲み込むだけでも喉が痛い。発熱や寒気もひどくなってくる。風邪薬を飲んでもいっこうに良くならない。そんな経験はありませんか?これらの症状に心当たりがある方は、扁桃腺炎にかかった可能性があります。今回はつらい扁桃腺の腫れの原因と対処法についてご紹介します。

目次

扁桃腺とは?

通常、扁桃腺と呼ばれているのは口を大きく開けたときに舌の付け根の両サイドに見られるこぶのようなものです。幼少期から7~8歳まで大きくなり、その後個人差はありますが次第に小さくなっていきます。扁桃腺は外から体内に入ってくる様々な細菌やウイルスなどを撃退し体内への侵入を防ぐ免疫器官として機能しています。しかし過度の疲労やストレス、風邪で体の抵抗力が低下することで扁桃腺についた病原菌が増殖し炎症を起こし、扁桃腺が大きく腫れてしまいます。これが扁桃腺炎と呼ばれるものです。

扁桃腺炎の症状は?

扁桃腺炎の初期症状として喉が赤く腫れ、食べ物や飲み物を飲み込む際に違和感を覚えるといったことが挙げられます。この段階までは風邪の症状と似ていることもあり、酷くなるまで気づかないことが殆どです。さらに症状が悪化したものが、急性扁桃腺炎と呼ばれるものです。

症状をまとめると次のようになります。

  • 喉の痛みが初期段階より激しくなり、唾を飲むこともつらくなる
  • 扁桃腺に黄白色の膿があちこちに付着する
  • 38~40度の発熱を伴う
  • 頭痛
  • 全身の倦怠感
  • 激しい寒気
  • 関節痛
  • 首にかけての頸部リンパ節が腫れる

この急性扁桃腺炎を年に数回以上繰り返すのが慢性扁桃腺炎と呼ばれるものです。慢性化すると皮膚や腎臓にまで病気を引き起こすなど合併症の危険もあるため、扁桃摘出手術が必要とされる場合もあります。

扁桃腺炎の治療法は?

飲みぐすり

扁桃腺炎にかかったと感じたら、まずは内科もしくは耳鼻咽頭科を受診しましょう。治療の中心は抗生物質の内服がほとんどです。扁桃腺炎の原因となる菌は様々で特定しづらいため、抗生物質投与により治療します。痛みが激しい場合は鎮痛解熱剤を使用します。また、喉の中を清潔に保つためにもイソジンによるうがいが有効です。

アレルギーなどにより抗生物質を服用できない場合、漢方療法も有効です。具体的には初期段階には葛根湯、さらに症状が進んだ段階には小柴胡湯(しょうさいことう)、桔梗湯(ききょうとう)が有効といわれています。

1週間ほど抗生剤を内服し安静にすれば快方に向かいます。大事なのは、たとえ熱が下がり喉の痛みが緩和されても通常の仕事や動作にすぐ戻ろうとしないで安静にすることです。

扁桃腺炎を予防するには?

一度かかっただけでもつらい扁桃腺炎。扁桃腺炎を慢性化させないためには普段から予防することが大事です。ここでは3つの予防法をご紹介します。

1.体の免疫力を高める

扁桃腺は、病原体の体内への侵入を防いでくれる最初の免疫器官です。免疫力を高めるのに最も有効なのは、栄養価の高い食事を摂ることです。特にハチミツは栄養価が高いだけでなく、殺菌力も高いため喉の痛み緩和にも有効です。

2.喉を乾燥させないよう心掛ける

扁桃腺の腫れの原因には喉の乾燥も関係しています。定期的なうがいマスクの着用など喉を乾燥させない対策が大切です。また、空気の乾燥は細菌の増殖にも繋がりますので加湿器で部屋の湿度を4070%くらいに保つようにしましょう。

3.過度の疲労やストレスのない生活を送る

扁桃腺炎になるということは体が限界にきているというサインでもあります。疲労やストレスが溜まることで体の抵抗力や免疫力が低下し、扁桃腺に病原体が増殖しやすくなってしまいます。適度な運動や気分転換を心掛けましょう。

まとめ

扁桃腺炎は小さな子供だけでなく、大人もかかる病気です。もしも扁桃腺炎を疑うような症状を感じたら、すぐに病院での診察を受けることが大切です。単なる風邪だと思って放置し、扁桃腺炎だったと気づいたときには症状が進行している可能性もあります。日頃から病気にかからないよう予防し、免疫機能を高める生活を心掛けることです。