子どものときからほくろが多い方だった、この頃急にほくろが増えた気がする、ほくろが増えたのは、何かの病気なのだろうか…誰もの皮膚にありながらもほくろについてはきちんと理解していないことが多いかもしれません。今回は、ほくろとはなにか、またどんな種類があるのかを説明します。

目次

ほくろってなに?

ほくろとは、色素性母斑もしくは、母斑細胞母斑と呼ばれている良性の母斑細胞(ほくろ細胞)の集まりのことです。生まれつきのものと成長途中で現れてくるものがあります。

メラニン色素があるため、色は褐色、茶色、黒色をしています。

平らなものや盛り上がったものなど様々あります。

大きさ

普通は5ミリ以下のものがほとんどです。それ以上の大きさでだんだん大きくなってくるものは注意が必要です。

ほくろの種類は?

ほくろにはいくつか種類があります。一般的なほくろは母斑細胞のある深さにより3つの種類に分かれます。

  • 境界母斑:母斑細胞が表皮真皮境界部にあるもの
  • 真皮内母斑:母斑細胞が真皮の深いところにあるもの
  • 複合母斑:境界母斑と真皮内母斑の混合型

その他、特殊なほくろがいくつかあります。

ほくろと似たような外見をもつ皮膚病もあり、その中には悪性のものもあり注意が必要です。ほくろに似た外見をもつ皮膚の病気には以下のようなものがあります。

脂漏性角化症

別名、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)ともいわれます。加齢により生じるイボです。褐色〜黒褐色をしており、しみが隆起してくるようにみえます。

基底細胞がん

基底細胞と似た腫瘍細胞が増殖するがんです。初期は小さなほくろのように見えることがあります。大きくなると中央がへこんだ潰瘍のようになります。

悪性黒色腫(メラノーマ)

皮膚のメラノサイトががん化した腫瘍と考えられています。日本人では、足の裏、手の平、手足の爪などに発生しやすく、色は黒褐色のものがおおいですが、淡紅色のものもあります。

ほくろは何が原因で増えるの?

ほくろは小児期、思春期などにできることが多く、ほくろの数が増えたり、もともとあるほくろが大きくなったりすることがあります。しかし、なぜほくろが増えるのか、大きくなるのかの原因はまだはっきりとは分かっていません。遺伝、日光の紫外線刺激、女性ホルモンなどが関係するともいわれています。

ほくろの中でも注意するものは?

そばかす

ほくろが増えたり大きくなる原因は分かっていませんが、急に形や色が変わったときは悪性病変の可能性が疑われることもあるので、注意しましょう悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚のメラノサイトという色素を作る細胞ががん化して腫瘍になったと考えられています。メラノーマは4つのタイプに分けられています。

分類 説明
末端黒子型 足のうら、手のひら、手足の爪の部分に発生しやすい
表在拡大型 胸、お腹、背中などの体の中心部に発生しやすい
結節型 部位は関係なく、しこりのようながん病変がだんだん大きくなっていく
悪性黒子型 主に高齢者の顔面に発生しやすい、不規則な形のしみがだんだん拡大していく

日本人に多いのは、「末端黒子型」です。気になることがあれば、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

まとめ

ほくろとは、母斑細胞(ほくろ細胞)の集まりであり、色や形にそれぞれ特徴があります。ほくろと似た悪性の皮膚病変もあり、その場合は皮膚科での治療が必要になります。ほくろが増える原因はまだ解明されていませんが、女性ホルモンや日光の紫外線が関係あるとも言われています。急に大きくなるときは、「メラノーマ」と呼ばれる皮膚のがんの可能性もあるので、注意が必要です。