「あなたのいびき、うるさくて眠れやしないわ!!」そんなことを言われたお父さん達は多いのではないでしょうか。睡眠を妨げられる程の大きな『いびき』という騒音で苛つくお母さん、一方、寝ている間の無意識での症状に対して怒られ、「そんなこと言われても…どうしたらいいんだよ…」と、しょんぼりとなってしまうお父さん。家族の安眠と健康を守るため、今回はいびきの原因と対処法について紹介していきます。

目次

いびきの原因

そもそも、このいびきというものは異常な状態であります。一般に肥満や口呼吸がいびきの原因と思われていますが、太っていなくても、口を閉じて寝ていてもいびきをかく人もいます。

なぜいびきが起こるのでしょうか?いびきはです。音は振動するものがなければ発生しません。では、どこが振動していびきという音が発生するのでしょうか?回答は口蓋垂(のどちんこ)とその周囲の粘膜が振動していびきが起こるのです。

いびきの主な原因は以下にまとめます。

  1. 肥満
  2. 不適切な枕
  3. 口呼吸で寝る
  4. 飲酒・疲労

肥満があれば、気道(空気の通り道)が狭くなり、狭いところを同じ量の空気が通りますから、空気の流速が早くなり口蓋垂がより振動しやすくなり結果いびきになります。

高い枕では気道が曲がり空気の流速が増えるため口蓋垂が振動しやすくなりいびきになります。

口呼吸では直接空気が口蓋垂にあたるので、より振動しやすくなり、結果大きないびきになります。

また、過度の飲酒や疲労の際は筋肉が弛緩しいびきを起こしやすくなります。

いびきと睡眠時無呼吸症候群との関係

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いびき=睡眠時無呼吸ではありません。関係は図のようになります。いびきの患者さんのなかに睡眠時無呼吸症候群の患者さんがいるのです。

詳しくは睡眠時無呼吸症候群で解説しますが、無呼吸になる理由は、気道が狭いのが一番の原因です。気道が狭くなる原因の一つとして肥満があります。また、気道が狭くなるので余計に口蓋垂が振動しいびきになります。

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)の何より一番大きな問題は、このいびきによってあなたの命が脅かされているのです。いびきをかく人やSASの方は、健常者に比べ高血圧脳卒中不整脈を起こしやすいというデータが出ています。

じゃあどうすればいいの!?簡単に自分でセルフケア!!

上の段落で紹介した中で「口蓋垂とその周囲が大きい人」に関しては外科的治療が必要な場合がありますが、「肥満」については自分の努力によってのみ改善できます。

「肥満」「口呼吸」が原因となるいびきについて、対策方法をご紹介します。専用のマウスピースを作るという手もありますが、すぐにできるこの2つを紹介させていただきます。

1.肥満

言うまでもなくまずはダイエットをしましょう。ただ、無理なダイエットは長続きしないものです。毎日1駅分や、ちょっとそこまで車や自転車を使うのではなく徒歩に変えてみてはいかがでしょうか。

また、「毎晩ビールを飲むのが楽しみ」という方も多いでしょう。アルコールは適度ならストレスもとれ問題ありません。そんな方は夜の炭水化物を抜く代わりに野菜の他に豆腐や鶏ささみ・牛赤身の低脂肪・高タンパク質の食品を取り入れてみてください。

食べる順番は野菜からにしましょう。少しずつ、無理のないカロリー制限・運動をすることを心がけてください。

2.口呼吸

口呼吸の一番の原因は、鼻が詰まることです。鼻詰まりのほとんどの理由はアレルギー性鼻炎です。耳鼻科できちんと治療することが大切です。鼻のレーザー手術も外来で簡単にでき効果があります。

治療し鼻詰まりが改善しても、口呼吸のほうが楽なので口呼吸が習慣になっていることも多くみられます。無意識にしていることなので諦めてしまっている人も多々いるでしょうが、ご安心下さい。口にマスクをして鼻だけ出して寝ることを一か月程行えば、自然と鼻呼吸ができるようになります。

それでもダメな場合は、ある簡単な体操を一日3分間行うだけで口呼吸を改善し、そこから引き起こされるいびきも治るのです。その名も『あいうべ体操』です。いたってシンプルな体操で、大きく口を開け、「あー、いー、うー、べー(この時思いっきり舌を出します)」と、言うだけです。(詳細はこちらをご参照下さい)

いびきで命の危機を察知!?番外編

冒頭でも述べた様にいびきは高血圧や種々の病気を引き起こす可能性があると述べましたが、その中でも急に激しいいびきをかきだし、何度揺さぶっても反応が無い場合、それは脳梗塞を起こしているかもしれません

旦那さんがソファで寝ていたら急に大きないびきをかきだし、起こしても反応がなかったため「もしや!?」と思い救急搬送したら、脳梗塞だったという例もあります。

最後に

私たちの身近にあるいびき。諦めがちでそのまま放置しているという方が大半かと思います。でもそれは体にとって重要なサインでもあり、あなたの命に関わるのです。ちょっとの減量・ちょっと空いた時間にあいうべ体操を習慣づけて、自分の体を守りましょう!!