皆さんはCKDという言葉を耳にしたことがありますか?CKDとは『慢性腎臓病』のことを指し、現在新たな国民病として注目されています。成人の約8人に1人がCKDを発症しているとも言われており、糖尿病・高血圧といった生活習慣病とも大きく関わっています。では、どうすればこのCKDを防げるのでしょうか?食生活の面から、今回はその予防策について紹介します。

目次

そもそも、CKDって何?

CKDとは『慢性腎臓病』の略語であり、近年新しく出来た言葉です。早期の段階での腎障害から末期腎不全(腎臓が全く機能しなくなった状態)までの長い経過を指し、早期発見・早期治療により少しでも末期腎不全への移行を遅らせることが目的とされています。具体的には、

①   タンパク尿(+血尿)

画像診断上での異常(腎臓の萎縮等)

血液検査での異常(血清CrやBUN↑等)

②   糸球体濾過量:eGFR(腎臓でどれだけ血液中の老廃物が濾されているかの指標)の低下

上記①または②いずれか、あるいは両方が3か月以上持続する場合、CKDと診断されます。

腎臓が働かなくなると、どうなるの!?

腎臓は24時間私たちが人生を終えるまで、体の中の老廃物をおしっことして作り出す大切な臓器です。しかしこれがCKDとなり、結果腎臓の機能が全く働かなくなると、おしっことして排泄される筈だった老廃物や水分がどんどん体の中に溜まり最終的には命を落とすことになります。そうなると、『血液透析』という特殊な治療を開始しなければならなくなり、更に厳しい食事制限や水分制限、週3回血液透析をしている病院に通院するといったかなり制限を受ける生活を送らなければいけません。

参考:血液透析について(腎臓サポート協会)

こんな食生活が危ない!!CKDを招く3つの食生活

①   塩分の過剰摂取

塩辛い味付けの方がご飯がすすむ、味がはっきりしていないと食べた気がしない、何にでも醤油をかける…こういう人は要注意!塩分の摂りすぎは高血圧の原因となり、腎臓に負担をかけてしまい状態を悪化させてしまいます。薄味で物足りないと感じる人は香辛料(コショウや唐辛子)等を使ってメリハリをつけたり、ポン酢やお酢をかけて食べたりといった工夫をすると良いでしょう。また、外食が多い人は「薄味でお願いします」と頼んでみると、調理方法を工夫して対応してくれるお店も多いですよ。

②   脂っこい食事

揚げ物やピザ、ファストフードといった脂っこい食事は高脂血症の原因となります。高脂血症とは中性脂肪やコレステロールが血液中に多いことを指し、血管の中がドロドロな状態となり動脈硬化心筋梗塞糖尿病の原因にもなりCKDの悪化要因にもなります。またカロリーの過剰摂取にも繋がるので肥満の原因にも…。

③   プリン体の高い食事

プリン体は主に魚卵や干物・レバー等に多く含まれています。プリン体の多い食物を過剰に摂取し高尿酸血症(いわゆる痛風)になると痛風腎を招き、腎臓に尿酸塩が沈着し腎機能の低下を引き起こします。

最後に

腎臓は他の臓器と違い、一度障害されると決して元には戻りません。また痛みを伴うこともなく、静かに年月をかけて状態が悪くなっていきます。普段の食生活に気を付けて、定期的な健診を受けてCKDを予防しましょう。