昨日はしっかり眠れましたか?現代人にとって睡眠不足は慢性的な問題です。睡眠不足による悪影響は身体と精神の両面に及び、眠気やだるさ、集中力の低下はもちろん、抑うつ状態や生活習慣病など重大な病気にもつながります。今回はそんな睡眠不足を解消し、「快眠」を実現するために、睡眠のメカニズムや生体機能に基づく4つの快眠方法をご紹介します。

目次

睡眠の効果

健康な体を作るために睡眠は非常に重要ですが、睡眠が私たちの体にどのような効果をもたらしているかご存知ですか?睡眠には心身の疲労回復させるのはもちろん、免疫機能を強化するという役割もあります。逆に、適切な睡眠がとれていないと、日中に眠気・だるさ・集中力の低下などの悪影響が生じ、仕事や私生活にも影響が及んでしまいます。さらには、抑うつ状態に陥ったり、生活習慣病のリスクを高め、症状を悪化させたりすることも分かっています。それでは、快適な睡眠をとり、日中をすっきりした状態で過ごすためにはどうすればよいのでしょうか?

睡眠のメカニズム「睡眠欲求」と「体内時計」

睡眠のメカニズム-図解
快眠のためにはまず、睡眠のメカニズムを理解することが重要です。私たちは毎日ほぼ同じ時間に眠りに入り、同じぐらいの睡眠時間で自然に目覚めます。このような睡眠のリズムは「睡眠欲求」と「体内時計」の2つのシステムで成り立っています。これら2つのシステムについてそれぞれご説明します。

睡眠欲求

1つ目のシステムは睡眠欲求です。睡眠欲求は覚醒中の疲労蓄積によって高まっていき、睡眠をとることで低下していきます。徹夜などで長時間覚醒していると普段寝付きにくい人でも簡単に寝付けるのはこのためです。

体内時計

2つ目のシステムは体内時計です。覚醒と眠りは体内時計により発信されるので、1日の中で時刻に応じて変動します。興味深いのは覚醒力が最も高くなるのは就床時刻の2,3時間前であることです。その後、就寝時刻に近づくにつれ、急速に覚醒力が低下します。

睡眠に影響を与える2つの生体機能

体内時計には様々な生体機能が影響しています。ここでは「脳の温度」と「メラトニン」の2つの生体機能の効果とその効果に基づく快眠方法をご紹介します。

1.脳の温度

私たちの脳の温度は、日中には高く、夜間は低くなることが分かっています。そのため、就寝前の眠気が強くなる時間は脳の温度が下がる時間と一致しています。脳の温度は体温の影響を受けるので、速やかに眠りにつくには「体温が下がる」ことが重要になります。

2.メラトニン

メラトニンは睡眠を促進する作用を持つ体内時計ホルモンです。メラトニンは明るい光の下では分泌が停止してしまうため、夜間消灯した暗い部屋で睡眠をとることが快眠のための重要なポイントとなります。

快眠のための3つの方法

1.就寝の2時間前に入浴する

入浴で体温が一時的に上がり、「体温低下」が起こりやすくなることで、寝つきをよくすることができます。入浴時間は38度のお湯で25~30分、42度の熱めのお湯なら5分程度を目安にするとよいでしょう。

2.就寝の3時間前に運動する

同様に適度な運動も「体温低下」を促し快眠に効果的です。激しい運動は体温を大きく上昇させ逆効果になってしまうので、ランニングなどの軽い有酸素運動が効果的です。また、運動をするタイミングも就寝直前では逆効果になるので就寝の3時間程前が良いでしょう。

3.睡眠前のスマホやパソコンの使用を控える

スマートフォンやパソコンから発せられる「ブルーライト」はメラトニンの分泌を低下させてしまいます。就寝の2~3時間前はできるだけスマートフォンやパソコンの使用を控えるようにしましょう。

まとめ

仕事で結果を残し、充実した私生活を送るためには心身ともに健康であることが不可欠です。私たちの健康に深い影響を与える睡眠を改善し、快眠ライフを楽しみましょう!