口腔乾燥症とも呼ばれるドライマウス。日本では現在約800万人が罹っているとされ、特に女性に多いとされています。ドライマウスはそのものが病気なので はなく、様々な原因がもとで起こっています。口の中が乾くと様々な悪影響が起こるといわれています。はたしてドライマウスの原因は、そして一体どんな症状が起こってくるのでしょうか?

目次

ドライマウスって何が原因で起こるの?

ドライマウスは口の中の唾液が減少したり、唾液が蒸発したりすることで起こりますが、その原因としては次のようなものがあります。

1.加齢

加齢によって唾液は減少してきます。

2.ストレス

ストレスにより交感神経が働くようになって唾液が減少します。

3.薬の副作用

一般的に処方される薬の8割が副作用として口腔乾燥を引き起こすといわれています。

4.喫煙アルコール

喫煙によって交感神経が刺激され唾液が減少します。また、アルコールの利尿作用によって口の中が乾きやすくなります。

5.食生活の乱れ

ダイエットや朝食を抜くなど、食事を摂る回数が減ると唾液の分泌が大幅に減ります。また、あまり噛まずに食べられるものばかり食べ食生活を続けていると、唾液腺を裏打ちしている筋肉が衰えてしまい唾液があまり分泌しなくなります。

6.更年期障害による影響

更年期障害不定愁訴のために抗うつ剤を飲んで、その副作用で口の中が乾いてしまうことがあります。

7.全身疾患の一症状

糖尿病腎不全、またシェーグレン症候群と呼ばれる膠原病の一症状として現れます。

8.口呼吸

口呼吸によって口の中の唾液が蒸発することによります。

9.脱水状態

発熱や運動などによって脱水状態になった時にも、口の中が乾燥します。水分補給を行うことで改善されます。

ドライマウスによって起こる症状

1.口の中がネバネバする

2.パンや水分の少ない物が飲み込みにくい

3.歯垢がつきやすくなり虫歯や歯周病が進行する

唾液の重要な役割として自浄作用(口の中の汚れを落とすこと)があります。唾液が減少することによりこの作用が衰えますので歯垢が溜まりやすくなり、結果、虫歯や歯周病がぐんと進みやすくなります。

4.舌の症状

唾液の自浄作用が落ちるので細菌が口の中で繁殖し、舌の上に舌苔が多量につくようになったり、また、舌のピリピリするような、または焼けつくような痛みが出たりします。口の中が乾燥するとカンジダ菌などが増えやすくなり、カンジダ症が元で痛みを出しやすくなるといわれています。

5.味が分かりにくくなる

味覚は食べ物の味成分が唾液に溶け込んで、それを舌の味蕾という受容体がその味情報をキャッチして感じます。しかし、唾液が少ないとそれが十分に行われません。

6.口臭がひどくなる

唾液が減ることによって自浄作用、殺菌作用が落ち、細菌が繁殖してきます。またそれによって舌苔も溜まってくるので口臭がひどくなってきます。

7.口内炎ができやすくなる

口の中の細菌が増えると口内炎もできやすくなります。

8.口の端が切れやすくなる

口の中が乾燥するとカンジダ菌が増殖しやすくなり、それが原因で口の端が切れやすくなると言われています。

まとめ

目や口などが潤っているのは分泌液(口の場合は唾液)によって外部からのウイルスや細菌の体内への侵入を防いでいるからなのです。それが少なくなってしまうということは体を防御することができなくなってしまうということですので、単なる「口の渇き」で片づけられるものではなく、様々な痛み、強い口臭など恐ろしい症状のオンパレードとなるのです。さらに、唾液が少なくなることにより免疫力も落ちますので、特に高齢者においては、口の中の細菌が肺の方へ感染を起こし死の危険すらあるのです。