毎日食事をするのに口の中が荒れていたら水を飲むのもつらいときがありますよね。ひどい場合はおしゃべりすることもできなくなることも。そんな辛い口の荒れ。そもそもなんで口の中が荒れてしまうのでしょうか。今回は口の荒れに関して、今わかっている原因と関係する病気について説明します。

目次

どんな時に口が荒れますか?

口が荒れているときのことを思い出してみましょう。ストレスがあるとき、睡眠不足のとき、風邪をひいたとき、などなど。そうです、口の荒れは健康のバロメーターになっています。

口の粘膜は非常に敏感なセンサーになっていますので、体にある不調をそのまま口の中に映し出してきます。ビタミン不足の場合や胃や腸に問題があるときなども口が荒れてしまいますね。この他にも唾液が少なくなったときや口の中を不潔にしていたときも口が荒れやすいです。

口内炎の分類

口の荒れといえば、口内炎です。口内炎というと、皆さん口の中にできた丸い小さい傷を思い浮かべると思います。でも実は、口内炎は口の周りの炎症の総称です。口が荒れるということはすなわち口内炎を起こしているということです。

アフタ性口内炎

口内炎はいくつかの種類に分類されます。最も多い口内炎がアフタ性口内炎です。どのようにしてこの口内炎ができるのかは、まだはっきりと分かっていませんが、ビタミンの欠乏やストレス、睡眠不足などによって引き起こされるといわれています。皆さんが思い浮かべる口内炎の代表で2~10mmぐらいの円形の口内炎です。

ウィルス性口内炎

またウィルスや細菌が原因で起こる口内炎をウィルス性口内炎といいます。単純ヘルペスウィルスによって引き起こされるヘルペス性口内炎などがあります。ウィルス性口内炎の特徴は口の様々な場所にできてしまい、小さな水泡を形成することもあります。

カタル性口内炎

外傷が原因で起こる口内炎をカタル性口内炎といいます。舌や頬を噛んでしまったり、熱いもので口の中をやけどしてしまったりしてできる口内炎です。アフタ性口内炎と違い形が一定ではなく、境界が分からないのが特徴です。

カンジダ性口内炎

口の中に常在するカンジダ菌というカビの一種によって引き起こされます。高齢者や乳幼児、ステロイド剤などの投与により免疫が低下している状態、また糖尿病などにより常在菌の間のバランスが崩れた状態になるとカンジダ菌が異常に増殖して起こります。

 

その他にはアレルギー性の口内炎もあります。金属アレルギーの方が虫歯の治療で銀歯などを入れた場合などに起こることや食べ物や薬のアレルギー症状として現れることもあります。

口内炎に関係する病気

荒れ

先ほどもお話したように、口は体のバロメーターになっています。口内炎と全身的な病気が関係している事もあるので注意しましょう。例えばベーチェット病といわれる病気はアフタ性口内炎、外陰部潰瘍、皮膚疾患、眼症状の4つを主な症状とする難病です。繰り返しアフタ性口内炎ができてしまいます。

また、手足口病は子供に多くみられるウィルス性の疾患で手や足や口に多数の水泡がみられます。ヘルパンギーナは夏風邪の代表的な疾患で喉の潰瘍や口の中に口内炎を形成します。この2つはコクサッキーウィルス群が原因となって起こる疾患で、ウィルス性口内炎を主症状とする病気です。

その他にもスティーブンス・ジョンソン症候群、炎症性大腸炎、白血病など様々な疾患で口内炎が併発することが報告されています。

高齢者では口腔乾燥症や免疫力の低下、糖尿病、口腔内の不衛生などの要因でも口内炎が起こってしまいます。

最後に

口の中の荒れはあなたの体のSOSです。もしかしたら体のどこかに病気があるのかもしれません。そのうち治るだろうと思っているうちに重篤な疾患につながる恐れもありますので早く診察してもらうことを心がけましょう。