歯ぐきの腫れ・痛みは放置しない方が良い、と「突然の歯ぐきの腫れや痛み…何が起こってるの?」の記事で書きましたが、実際歯科医院ではどのような治療を行うのでしょうか?原因別の治療法を解説します。

目次

歯周病の場合

歯肉炎、歯周炎において歯ぐきの際(きわ)が腫れている程度で強い痛みがない場合

この場合は消毒をし、症状に応じて対症療法として歯ぐきの溝に抗生剤の軟膏を入れる場合もあります。

しかしこれは根本的な解決にはならないので、基本的には原因となっている歯ぐきの周囲の歯垢をしっかり落とすことが治療となります。まずは自分自身でしっかりと歯垢を落とせるブラッシングを身につけ、歯科医院ではブラッシング指導や歯石取りを行います。

歯周炎の急性発作の場合

この場合は歯ぐきの中に大きく膿が溜まって腫れている状態ですので、歯ぐきの歯周ポケットから膿が排出されてない場合は切開して膿を出すこともあります。その後は抗生剤・鎮痛剤で炎症の鎮静を図ります。

急性の炎症はこれで引いていきますが、その後、根本的に歯周病の治療(日常的な正しいブラッシング、歯石取り)を行わなければ再発する頻度が増えてきます。歯周病の進行がかなり進んでいる場合には抜歯が必要となるケースもあります。

根っこの先端に膿が溜まっている場合

来院時に大きく腫れて強い痛みが出ている場合には、一刻も早く中に溜まっている膿を出す必要があるので、歯ぐきを切開して膿を出すか、根の中から膿を出す通路を開通させます。その後、数日間抗生剤・鎮痛剤で炎症の鎮静を図ります。

急性的な炎症が落ち着いたら、原因となっている感染した根の中の消毒を行い、最終的には詰め物、かぶせ物の処置をします。

歯と歯の間にものがはさまって起こっている場合

速やかにはさまっているものを取り除き、消毒、必要に応じて抗生剤・鎮痛剤の投与を行います。

頻繁にはさまっている場合には歯と歯の間にはさまらないようにするために、詰め物やかぶせ物を取りかえる、または二つの歯をかぶせ物で連結することもあります。

根っこが割れている場合

当日炎症が強い場合はまず抗生剤・鎮痛剤にて炎症を抑え、後日抜歯が必要となります。

根っこが割れてしまっている場合は基本的に歯は保存することができません。

親知らず周囲の炎症の場合

消毒を行い、症状に応じて抗生剤・鎮痛剤が処方されますが、親知らずの場合は生え方や埋まり方によってもその後の対処法が変わってきます。

まっすぐに生えている、またはきれいに生える見込みがあり虫歯などの問題もない

この場合残った汚れが原因であることが多く、正しいブラッシング方法で親知らずをしっかりと歯磨きすれば、改善する可能性があります。

磨くのが難しく炎症が続くようであれば抜歯する可能性もあります。

親知らず自体が大きな虫歯になっている、または倒れていてきちんと生える見込みがないなどの場合

この場合は放置すればするほどその後大きなトラブルになりますのですぐに歯科を受診し、強い急性炎症が落ち着いたら早めに抜歯することをお勧めします。

口内炎の場合

口内炎にはいくつか種類があります(「舌に口内炎ができる7つの原因とは!?8つの治療と対処法」を参照してください)。

1~2週間で治るものもありますが、心配であれば歯科を受診しましょう。口の中を清潔に保つようにし、辛いようであれば歯科医院で軟膏などを処方してもらうこともできます。

エプーリスの場合

これは歯肉が増殖したものです。痛みを出すことはあまりありませんが、放っておくと周囲の骨を溶かしたり歯を動かしたりすることもあるので切除する必要があります。

まとめ

歯ぐきの腫れや痛みは自然に落ち着くこともありますが、それは必ずしも治ったということを意味しません。歯周病などの感染が原因で起こっているものは、体調が悪いときや疲れているとき、免疫力が落ちているときに再度強く症状を出してきますので、たとえ回復してきたとしても様子を見ず、歯科で診察を受けることをお勧めします。