昨日までは何でもなかったのに、いきなり顎が痛くなってきた。そんなとき、あなたならどうしますか。顎の痛みは痛みの出る場所によって原因が違います。当然、原因によって対処の仕方が変わってきます。今回は顎の痛みの対処法と治療法について紹介します。

目次

何が原因で顎が痛くなっているの?

顎が痛くなる原因はいくつかあります。顎が痛くなる原因としては、顎関節症関節リウマチ、歯が原因での痛み、唾液腺炎、蓄膿症三叉神経痛などが考えられます。顎の痛みの原因について詳しくは「顎が痛い!その原因はどこから?意外と知らない顎の痛み!」をご参照ください。

家でできる対処法

顎が痛くなった場合に家でできる一番の対処法は、市販の鎮痛剤を飲むことです。これは原因が何であれ最も効果的な対処法です。「薬は体に良くない!」なんて考えている方もいるようですが、決められた用法と容量を守ることで安全に薬を使うことができます。

次に患部を冷やすことです。歯が原因の場合や蓄膿症などの炎症で痛みが起こっている場合は患部を冷やすことで痛みを和らげることができます。ただ直接痛むところに氷を当てないよう、必ずタオルなどで包んでから当てるようにしてください。顎関節症の筋痛から起こる痛みはマッサージをすることも効果的です。しかし、これは他の疾患では逆に痛みを強くしてしまいますので、診断がついている場合のみ行ってください。

また、固いものを噛んだり、ガムなどを何回も噛んだりするような動作は控えるようにしてください。

顎の痛みの治療法

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顎関節症

顎関節症の治療ではスプリントと呼ばれるマウスピースのようなものを装着する治療法が最も一般的です。スプリントと併用して鎮痛剤による痛みのコントロールをしていきます。また、噛み合わせの治療により症状の改善がみられる場合もあります。

顎関節症は一度痛みが落ち着いても再発することが多いのでしっかりと治療しましょう。

関節リウマチ

関節リウマチの治療は薬物療法がほとんどです。鎮痛剤や抗リウマチ薬、ステロイドによる治療法が一般的です。関節リウマチも治ることが難しい病気ですので医師の指示に従って治療を受けましょう。

歯が原因での痛み

歯が原因の場合は、原因となっている歯の治療をしてもらいましょう。親知らずが原因の場合は抜歯をすることがほとんどです。また顎にできた嚢胞(のうほう)と呼ばれる膿の袋が原因の場合は、嚢胞を取り出す手術が必要な場合があります。

唾液腺が原因で痛みが起こっている場合

有名なおたふく風邪は流行性耳下腺炎という唾液腺の疾患ですが、治療法は症状に対する対症療法しかありません。また唾液腺の中で唾石といわれる石ができてしまう唾石症という疾患もあります。この場合は唾石の摘出術や必要に応じて唾液腺ごと取る手術が必要になります。

蓄膿症

蓄膿症は、抗生物質を飲むことによって良くなります。しかし慢性化してしまったり、再発を繰り返したりする場合は、手術が必要になることがあります。

三叉神経痛

三叉神経といわれる感覚を司る(つかさどる)神経が過敏になることで症状が現れます。

治療法としては、薬物療法ブロック療法(麻酔などを用いて一時的に痛みを除去する方法)、手術療法ガンマナイフ(定位的放射線外科治療装置)の使用などがあります。抗けいれん薬を飲むことが一般的ですが、症状が軽減しない場合に手術をすることがあります。

最後に

顎の痛みといっても、原因は様々です。自分で勝手に診断して症状が悪化してしまうと大変です。症状がひどくならないうちに病院を受診することが早く治る一番の近道ですので、痛みを感じるようでしたらすぐに受診することをお勧めします。