何かしらのストレスを感じながら生活をしている方は多くいらっしゃいます。しかし過度のストレスは疲労や睡眠不足のもととなり、時には病気を引き起こすこともあります 。この記事では私たちの心や体に影響を与えるストレスとは何なのかを解説し、ストレスが原因となる病気についてもいくつかご紹介します。

目次

ストレスとは?

「ストレス」というと目に見えない精神的ストレスを思い浮かべますが、ストレスを厳密に言うと「外部からの原因によって生体にひずみが生じた状態」と定義されています。

つまりストレスとは、精神的なものだけでなく、何かしらの圧力によって体の不調や反応が起きること意味しています。

ストレスを受けると、体の中ではどのような反応が起きるのでしょうか。

ストレスが生じると、脳の視床下部が反応し下垂体と副腎からホルモンが普段より多く分泌されます
心臓がドキドキしたり血圧が上昇・食欲が無くなるといった自律神経の乱れなどを引き起こします。

ストレスの原因

ストレスの原因となる刺激のことを「ストレッサー(ストレス源)」と呼びます
ストレッサーには疲労や不安などだけでなく、暑さや寒さ・薬品・炎症・感染など様々な外部からの刺激も含まれます。

5つのストレッサー

  1. 物理的ストレッサー:暑さや寒さ・光の刺激・暗さ・騒音・人ごみ・渋滞・悪臭など。
  2. 化学的ストレッサー:タバコ・酒・食事・ホコリ・公害物質・薬物・酸素欠乏や過剰・一酸化炭素など。
  3. 生物学的ストレッサー:細菌・ウイルス・カビ・花粉など
  4. 心理的ストレッサー:不安・不満・緊張・怒り・喜び・悲しみなど。
  5. 社会的ストレッサー:家庭環境・職場環境など。

仕事でストレスを感じる人も多い

ストレッサーの中でも注目したいのは心理的・社会的ストレッサーです。

2012年の厚生労働省の調査によると労働者の6割が仕事や職業生活でストレスを感じていると答えています。
そして最もストレスを感じているのが30代と40代で、仕事上の人間関係が原因のトップに挙げられています。

ストレッサーの影響をどのように感じるかには個人差があります。
そのため同じストレッサーによる刺激を受けても、体調不良を起こす人とそうでない人がいます。

ではストレスの症状はどのような形で現れるのでしょうか。

ストレスの症状は大きく分けて3つの面、心理面・身体面・行動面に現れます。

  1. 心理面:元気がない・イライラする・不安がある・気分が沈む・興味や関心が低下する
  2. 身体面:頭が痛い・関節が痛い・肩が凝る・腰が痛い目が疲れる動悸がする胃が痛い食欲がない便秘もしくは下痢眠れない
  3. 行動面:酒や煙草の量が増える・仕事での失敗が増える・注意力が低下する

ストレスが原因となる病気

人によってはストレスが原因で病気になってしまうこともあります。ストレスが引き起こす可能性のある病気のいくつかをご紹介しましょう。

  • うつ病気分が落ち込む・やる気が出ない・集中力がない・疲れる・食欲が低下/増加などの症状がだんだん増えて続くようになる。重くなると死にたいと考えるようになる。
  • 蕁麻疹(じんましん):突然に体の一部が赤くなり痒い。痒みを伴う赤く盛り上がった膨疹が数時間ごとに出たり消えたりすることもある。
  • 円形脱毛症突然、円形または楕円形状に髪の毛が抜ける。10円玉の大きさ~頭全体に広がることもある。
  • 片頭痛頭の片側または両側がズキンズキンと痛み数時間~数日続く。吐き気を伴うことがある。
  • 過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん):下痢型と便秘型がある。突然に下腹部痛が起こり下痢になる。または腸管の痙攣によりひどい便秘になる。
  • 過換気症候群(かかんきしょうこうぐん):突然に呼吸が荒くなり、口の周りや指先がしびれ、意識が遠のく。
  • 突発性難聴突然聴力が低下し、耳の聞こえが悪くなる。耳鳴り耳の詰まった感じめまい耳の痛みを伴うこともある。
  • メニエール病回転性のめまい・吐き気・耳鳴り・難聴・耳の閉鎖感などがある。女性に多く発生し、不眠症を合併することが多い。

まとめ

世の中にはストレッサーがたくさんあります。
私たちは、気づかないうちに毎日いろいろな場面でストレスを受けているのかもしれません。ストレスの症状に気付いたなら、早めに対処しましょう。