風邪の代表的な症状の一つに、咳(咳嗽)があります。熱は下がったのにいつになっても咳が止まらない、咳がひどくて呼吸がうまくできないなど、長引く咳の症状に悩まされたことがある方も多いのではないでしょうか。今回は、つらい咳を止めるのに効果的なセルフケア方法をご紹介します。簡単にできるものばかりなので、咳や喉の痛みにお困りの方はぜひ試してみてください。

目次

咳はどうして出るの?

咳には、気道の中に異物が入ってくるのを防いだり、気道に入り込んでしまった異物を排除したりする役割があります。つまり、をすることで体を異物から守ろうとしているのです。また、喉や気管に炎症が起こっている場合はなどの分泌物が増加し、それを排除しようとして咳が出やすくなります。

そのため、咳を止めたい場合、咳が出る原因自体にフォーカスして治療を行う必要があります。

喉をいたわる、5つの方法

上記の通り、咳は身体を守るために必要な反応です。しかし、どうしても辛いときにはセルフケアを行い、症状を改善するようにしましょう。それでは、咳を抑えるためにできる7つのことを見ていきましょう。

1.加湿する

気道が乾燥していると痰を出しにくくなるので、こまめに水分を補給したり、加湿器を使ったりして気道を湿らせると良いでしょう。

ただし、湿度を上げすぎてしまうと今度はウイルスやカビが繁殖しやすくなってしまいます。適切な湿度(50~60%程度)を保つようにしてください。

2.食事に気をつける

アルコールや唐辛子などの食べ物や、熱すぎるものは、喉に刺激を与え、炎症を引き起こしてしまいます。咳が出ている間は、避けた方が良いでしょう。

反対に、喉によい食べ物としては、大根レンコンしょうがはちみつなどが挙げられます。

特に、はちみつに含まれるフラボノイドという成分には、炎症をやわらげ、殺菌する効果があります。お湯で割ったり、レモネードにしたりして飲むのがオススメです。

 

※はちみつにはボツリヌス菌が含まれている場合があります。この菌は大人の腸内では繁殖しないため安全なのですが、腸内細菌が少ない1歳以下の乳児には与えないよう注意してください。

3.タバコをやめる

タバコに含まれる有害物質は、気管や気管支を刺激し、咳を誘発します。自分自身がタバコを吸っていな方としても、周囲の人が吐き出した煙(副流煙)によって刺激を受けてしまう場合もあります。

喫煙は、肺がん慢性閉塞性肺疾患(COPD)など様々な呼吸器の病気とも関係しています。タバコを吸っている方は、禁煙することをおすすめします。

4.ホコリを防ぐ

咳は、空気中の異物が気道に入ることで起こります。また、アレルギー体質の場合、ホコリやダニなどが咳の原因そのものになっていることもあります。

こまめに部屋を掃除してホコリを除去しておくと、予防にもつながります。

5.薬を飲む

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咳止め薬は多くの種類のものが市販されていますが、選ぶ際にポイントとなるのは「痰が絡んだ咳が出ているかどうか」ということ。

痰が絡んだ咳の場合

一般的な風邪の場合、痰が絡んだ「ゴホゴホ」という咳が出ることが多いです。この場合は、去痰成分や気道を拡げる成分が入ったものを選ぶと良いでしょう。

痰が絡まない咳の場合

痰が絡まず「コホコホ」という咳が出る場合、気管支や気道の炎症によって咳が出ています。この場合は、咳中枢に直接作用する鎮咳薬が効果的です。

薬剤師さんに相談する時の注意点

薬剤師さんに相談する場合、「痰が出るか出ないか」に加え「いつから咳が出ているか」「ほかの風邪の症状はあるか」「喘息の持病はあるか」を伝えて、症状に合った薬を選んでもらいましょう。

市販薬を服用する場合、用法・用量をきちんと確認することも忘れずに。

咳が長引く場合は病院に行きましょう

以上の方法を行っても2週間以上咳が続く場合や、痰に血が混じるなどの異常がみられる場合、その咳の原因は風邪ではないかもしれません。呼吸器系の病気のおそれがあるので、病院に行って医師の診断を受けましょう。

咳は、思いがけない病気の前兆になっていることもあります。詳しくは、「咳が止まらない時の原因は!? 考えられる病気の3つの見分け方」をご覧ください。

まとめ

体を異物から守ろうとする働きであるとはいえ、咳が出るのはつらいものです。

本記事では簡単にできるセルフケアをご紹介しましたが、これらはあくまでも症状をやわらげるための方法であり、根本的な治療ではありません。症状が長引く場合は、お近くの内科・呼吸器内科を受診するようにしてください。