花粉症の方にとって、花粉が多く飛ぶ季節は目がかゆくなったりくしゃみが止まらなかったり、憂鬱ですよね。症状のせいで集中力が続かなくてイライラ…ということもあると思います。今は花粉症でない人でも、将来花粉症を発症する可能性は大いにあります。そのため、今は発症していないという方も予防が必要になってきます。今回は、数ある花粉症対策グッズの中から、特に予防と対策に有効なものを紹介します。

目次

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「花粉症じゃないから大丈夫!」はNG!?

花粉症の症状は、体内に入ってきた花粉という異物に対する体の防御反応です。

大量の花粉に出会うと、体は花粉を異物とみなし抗体を生み出し攻撃します(免疫反応)。本来であれば、異物を排除するための抗体は体を守るものです。しかし、その抗体が一定量を超えると免疫反応が過剰になり、鼻水や涙などの症状が出てしまいます。これが花粉症です。

どの程度の花粉が体内に侵入したら免疫反応が過剰になるかは人によって様々です。子供のうちから免疫反応が過剰になり花粉症を発症する方もいれば、数十年にわたって花粉を浴び続けても花粉症の症状が現れない方もいます。

ただ、近年は花粉の飛散量が増加しているため、患者数は増え続けています。1998年から2008年の10年間でスギ花粉症の有病率は10%上昇したそうです(厚生労働省「アレルギー性鼻炎の全国疫学調査」より)。少しずつであっても毎年花粉に暴露され続けることで、花粉症を発症する可能性は高くなります。今は花粉症でなくても、いつか花粉症を発症してしまう可能性は大いにあるのです。

今は花粉症でなかったとしても、将来の花粉症を予防するためにできるだけ花粉の侵入を防ぐことが大切です。

体質や生活習慣などによって、花粉症になりやすい人もいます。詳しくは「早めの予防が肝心!花粉症のメカニズムと予防のための5つの対策」の記事をご覧ください。

花粉を寄せ付けないことが最善策

だめ
花粉症の予防に一番有効なのは、鼻と目に花粉が付着しないようにすることです。外出を極力避け、家にいる間は窓の開け閉めを控えるのが最大の予防になります。

とはいえ、全く外出しないというわけにもいきませんよね。対策グッズをうまく活用して、体内に侵入する前に花粉をブロックしましょう。

花粉を遮断!対策に有効なグッズ7選

1.マスク

花粉症の予防と対策に最も効果的なのは、マスクの着用です。

様々な種類のマスクが市販されていますが、必ずしも「花粉症用」のマスクを使う必要はありません。花粉症用のマスクが息苦しいと感じる方は、通常のマスクを着用するだけでも、体内に入る花粉の量を減らすことができます。

また、スギ花粉は水につきやすいため、湿ったガーゼをマスクに挟み込むとさらに効果が増すとされています。

2.メガネ

花粉が飛び始めると、目のかゆみに悩まされる人も多いと思います。目に入る花粉を防ぐためには、メガネが非常に有効です。もちろん度が入っている必要はないので、視力に問題がない人も、この時期は度のはいっていない眼鏡を着用すると良いでしょう。

普段コンタクトレンズを使用している人は、特に注意が必要です。コンタクトレンズと結膜との間で花粉が擦れ、炎症を起こす原因となることがあります。できるだけメガネを着用するようにしましょう。

以下は、鼻と目の中に入る花粉の数をまとめたものです。花粉症用のものを使わなくても、通常のマスクとメガネを着用するだけでかなりの効果が見られます

マスク・メガネによる体内に入る花粉量低減効果
鼻の中の花粉数 結膜の上の花粉数
マスクなし
メガネなし
1848個 791個
通常のマスク
通常のメガネ
537個 460個
花粉症用マスク
花粉症用メガネ
304個 280個

出典:厚生労働科学研究|的確な花粉症の治療のためにを元にいしゃまち編集部作成

 

3.化学繊維の服

外出した際に服に花粉がつくと、家の中に花粉を持ち込んでしまうことになります。ウールなど、表面がふわふわした衣類は静電気が起きやすいため花粉が付着しやすいので、花粉症シーズンには避けたほうが無難です。

逆に花粉が付きにくいのは、ポリエステルなど化学繊維や綿など、表面がツルツルしていて静電気が起きにくい素材です。

ツルツルの服なら、もし花粉が付着してしまっても簡単に振り払うことができます。室内に入る前には、忘れずに服から花粉を払うようにしましょう。手で払うのに抵抗がある場合は、洋服ブラシを使うと便利です。

4.帽子

顔や頭は、皮膚表面に花粉が付着しやすい場所です。また、は一度花粉が付いてしまうと落とすのが難しいです。

頭の花粉は、帽子をかぶることで避けられます。長い髪の方は、髪をまとめて大きめの帽子ですっぽりと覆うと安心です。花粉症予防以外に防寒効果もありますし、おしゃれ気分でお気に入りの帽子をかぶって出かけてみてはいかがでしょうか。

5.花粉防止クリーム

鼻の穴に塗って、体内への花粉の侵入を防ぐクリームが市販されています。このクリームには花粉症の症状を軽減させる成分は含まれていませんが、花粉が粘膜につくのを防ぐ効果があります

花粉防止クリームは、薬局などで購入できます。値段は少し高めですが、ひどい花粉症に悩まされている方は試してみると良いかもしれません。

6.静電気防止スプレー

上記のとおり、服や帽子、カバンなどに花粉が付着すると、家に持ち込むことになりかねません。化学繊維のツルツルとした素材の服を着ていれば花粉が付着すること自体少ないのですが、どうしてもウールや毛皮の服を着たい日は、静電気防止スプレーを吹きかけておきましょう。

静電気さえ防止すれば、着合わせをそれほど気にすることなく好きな服を着ることができます。

さらに、洗濯の際に柔軟剤を使用するのも静電気防止に有効な方法です。柔軟剤には服を柔らかくする以外に、繊維同士のすべりをよくする働きがあります。そのため、重ね着をしたときの摩擦を防ぎ、静電気が発生するのを抑えることができるのです。

7.人工涙液

メガネを着用していても、一部の花粉は目に入ってきてしまいます。目の表面に付着した花粉を洗い落とすときにオススメなのが、人工涙液の使用です。

目の表面は、涙で覆われています。水道水で目を洗うと、涙を洗い流すだけでなく、目の細胞を傷つけてしまいます。

人工涙液は、塩化ナトリウム・塩化カリウムを含む点眼薬で、ドライアイの治療などにも用いられます。涙と似た性質を持つため、目を傷つけずに花粉を洗い流すことができるのです。

人工涙液は、薬局などで市販されています。家に帰ったら、洗顔、うがい、鼻をかむのに加え、人工涙液で目を洗うのを習慣にしましょう。

まとめ

花粉症の予防や対策には、花粉を体内に入れないことが第一です。そして、早めに対策を講じることで、発症を防いだり症状を軽減させたりすることができます。

花粉症シーズンが近くなると、薬局にも対策グッズのコーナーが設置されます。今はまだ症状が出ていない人も、有効なグッズをうまく使って、早めに対策を始めましょう!