視界がぼやけたり、かすんだりする「かすみ目」。その原因は疲れ目や屈折異常だけでなく、疾患も考えられます。疲れ目や屈折異常のケースでは適切な対処を取れば大きな問題にはなりませんが、疾患であった場合は、治療しないと失明する恐れもあります。今回は眼がかすむ原因について紹介します。

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眼の疲れが引き起こす「かすみ目」

日常生活の中で眼がかすむ原因として、長時間パソコンで作業したり、スマートフォンを見つめ続けたりするなど眼の酷使が挙げられます。

眼には毛様体筋という筋肉があり、その筋肉によって水晶体は厚みを変えて光の角度を調整し、ピントを合わせています。この毛様体筋が近くを見続けるなど長時間働くと緊張状態となり、うまく厚みを調節できず、眼の前がかすんで見えることがあります。

眼の疲れに関しては「あなたの目の疲れの原因は?疲れ目を引き起こす3つの原因」や「今日から実践!目の疲れを改善する4つの方法」も併せてご覧ください。

眼鏡やコンタクトレンズも、疲れ目の原因になりえます。その中で最も多いのは、度数がきちんと合っていない眼鏡やコンタクトレンズの使用です。他にはコンタクトレンズを診察も受けずに長期間同じ度数で使用していたり、眼科の診察無しで眼鏡店にて視力計測しただけで作成していたりすると高確率で起こります。

老眼、コンタクトレンズの汚れでも視界がぼやけたり、かすんだりすることがあります。

疾患が原因となる場合も。注意したい緑内障。

上記以外に疾患が原因となることもあります。眼のかすみが症状として現れる疾患をいくつか紹介します。この中でもぶどう膜炎や緑内障は失明の危険性もあり、特に注意が必要です。

ドライアイ

眼は常に涙で覆われていますが、何らかの原因で涙の量が少なくなったり、保持できなかったりすると、ドライアイ(眼の乾燥)を引き起こします。眼が乾燥してしまうと、眼のかすみや異物感、表面(角膜)に傷がつくなどの症状が現れることがあります。

ドライアイについて詳しくは「目が渇く!ドライアイとは一体どんな病気?」や「ドライアイの治療法とは?市販の目薬で治そうとしても良いの?」をご覧ください。

白内障

水晶体が白く濁ってくる疾患で、白くかすんで見えたりモヤがかかって見えるようになったりします。また、眼鏡やコンタクトレンズを使用しても視力が出なくなります。原因の大半は加齢によるものですが、その他に外傷、アトピー性皮膚炎、ステロイドの長期使用などもあります。

白内障について詳しくは「目が白く濁る?!白内障とはどんな病気」や「手術をすると良くなるの?白内障の治療法とは」をご覧ください。

ぶどう膜炎

虹彩や毛様体、脈絡膜という3つを総称してぶどう膜と呼び、このぶどう膜に炎症が起きた状態です。炎症が起こる原因には、感染症や自己免疫疾患などが挙げられます。症状には眼の痛みや視力低下、まぶしさや眼のかすみなどが挙げられます。

ぶどう膜炎について詳しくは「この症状は目の疲れではない?失明の恐れもある、ぶどう膜炎の原因と症状」や「ぶどう膜炎、放置しないで!検査、治療、合併症について」をご覧ください。

緑内障

眼の神経が徐々に減ってしまう病気です。通常その人の眼圧を薬剤や手術などで平均的に20~30%下げることで進行を防ぐことが出来ます。

初期段階では少しずつ進行し、症状を自覚しにくいです。気がついた頃には視野がかなり狭くなっていることもあります。進行していくとかすみなどの視力低下、頭痛、眼の痛みなどが現れます。早期発見が重要となります。

緑内障について詳しくは「緑内障ってどんな病気?受診すべき症状とは?」や「緑内障と言われたら…受診から検査・治療の流れ」をご覧ください。

まとめ

長時間近くを見続けているときに起こる眼のかすみは、水晶体の厚みを調節する毛様体筋が緊張している状態であるため、作業を中断して眼を休めれば特に問題ありません。しかし、眼のかすみだけでなく痛みや視力の低下など他に症状が現れていた場合は、眼の疾患が原因となっているかもしれません。

また、原因の一つである緑内障は発症しても気づきにくい特徴もあります。日頃から定期的に眼科検診を受診するようにして、見落とさないようにすることも重要です。