突然死とは、予期しない突然の病死のことであり、症状が出現してから死亡するまでの時間が24時間以内のものを指します。

突然死は原因不明のものもありますが、原因がわかるものでは、心臓・大血管系疾患が70%以上と大部分を占め、次いで脳血管系疾患、呼吸器疾患、消化器疾患などがつづきます。心臓疾患による突然死は頻度が最も高く、症状出現から死亡までの時間が1時間以内となることもあり、他の突然死と区別して「心臓突然死」と呼びます。

今回は、この心臓突然死を引き起こしうる代表的な疾患について、それぞれの病態や原因などを解説します。

目次

心臓の構造-図解

心筋梗塞

心臓突然死の中で最も多い原因となる病気です。心臓に栄養を送る冠動脈と呼ばれる血管の通り道が狭くなったり、閉塞したりすることで、その血管が栄養する領域の心筋が死んでしまいます。

心筋梗塞によって壊死した心筋が運悪く破裂すると、心破裂とよばれる状態になります。ほとんどの場合、救命できません。

心筋梗塞で突然死してしまう最大の原因は、心室細動と呼ばれる不整脈です。これは、血管の梗塞部位や範囲に関わらず、心筋梗塞発症から数時間以内に起こりえます。

心臓がけいれんを起こして正常のポンプ作用を果たせなくなり、全身に血液を送ることができなくなってしまうため、突然死してしまうのです。

拡張型心筋症

多くの場合、原因は不明なのですが、心臓の内腔が大きく拡張し、心筋の収縮能力が著しく低下して、心不全に陥ってしまう病気です。30~40歳代と中年男性に多くみられ、家族性と認められる場合が20%ほどあります。

症状としては、動悸息切れ・呼吸困難などがあります。
突然死の原因としては、心筋梗塞と同様、心室細動が主です。家族や親せきの中に、若年で突然死や心不全を起こした方がいらっしゃる場合、この病気の可能性があるので、注意が必要です。

肥大型心筋症

その名のとおり、心筋が肥大して心臓の内腔が狭くなり、心臓を十分拡張させることができず、体全体に十分血液を送れなくなる病気です。この病気の約50%は家族性です。症状は軽いものから重いものまで様々です。

突然死は、軽症を含むどの段階からも発生します。「失神を繰り返す」、「家族のなかに突然死した人がいる」、「30歳未満でこの病気を発症した」場合は、突然死のハイリスクとなるため、注意が必要です。

QT延長症候群

心電図上QTとよばれる部分が正常よりも延長している病気です。この病気の原因としては、遺伝子異常や、抗不整脈薬などの薬剤、血液中のミネラル異常などが挙げられます。

病気といってもそれ自体では症状はありませんが、多形性心室頻拍という特殊な不整脈を生じることがあり、この不整脈が心室細動に移行し、突然死の原因となります。

多形性心室頻拍を起こす誘因として、水泳や目覚まし時計のアラーム、安静・睡眠などが代表的です。この病気は基本無症状なので、健康診断で見つかることが多いです。

ブルガダ症候群

この病気は若年~中年の男性に多く、また日本や東南アジアに多くみられます。原因は遺伝子異常が多く、20~30%で突然死の家族歴が認められます。
普段はまったく症状がない場合が多いのですが、夜間睡眠中や食後安静時などのリラックスした状態のときに心室細動発作を起こし、突然死をきたすことがあります。

症状がない場合に、この病気を見つける唯一の手段は心電図です。coved型ST上昇、saddle back型ST上昇といったこの病気に特徴的な波形を伴った心電図異常がみられます。

健康診断などでこのような心電図異常を指摘された場合は注意が必要です。

最後に

いかがでしたか?今回は突然死を引き起こす代表的な疾患についてお話してきました。聞きなれない病名もあったかもしれませんが、突然死の原因としては重要なものばかりなので、ぜひ知っておいてくださいね。