心臓や血管だけじゃない!動悸の原因となる精神的な病気とは

動悸を感じるときは心臓や血管など循環器の病気を疑いがちですが、動悸は不安を感じたり、気持ちが沈んだりしたときに出ることがあります。今回はうつ病や不安障害といった精神疾患が原因で動悸が出るケースについて紹介していきます。

動悸を伴う精神的な病気

うつ病

気分が常に沈むほか、興味や喜びが失われてしまう病気です。気分が沈む時と過剰に高揚する状態を繰り返す躁うつ病もあります。生活に関わる症状は、食欲が無い人や反対に食べすぎる人、睡眠不足になったり寝ても寝足りず睡眠過剰になったりするなどまちまちです。このほか強い焦燥感、疲労感、集中力の低下、自殺願望が現れることがあります。身体的症状としては頭痛、口渇、便秘もしくは下痢、呼吸困難感、動悸、頻脈などがみられます。症状が重くなると自分が病気だと思い込む心気妄想、お金が無い気持ちにとらわれる貧困妄想、非難されるレベルの罪を犯したと思いつめる罪業妄想などを生じることがあります。

不安障害

胸をわしづかむ男性不安障害にはパニック障害、全般性不安障害、社交不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、恐怖症が含まれます。不安障害の中で動悸の症状がみられる病気を挙げていきます。

パニック障害(PD)

突然不安になって動悸やめまいを感じたり、息苦しくなったり、死への恐怖を感じたりすることをパニック発作といいます。パニック発作を繰り返すのがパニック障害です。一度症状が出た後に公共の場で同じ発作が出ることへの不安(予期不安)から、電車や人混みなど外へ出られなくなることがあります。パニック発作の症状は多様で、動悸や頻脈、冷や汗に体の震え、息苦しさ、胸の痛みなどが挙げられます。いずれの症状も10分以内にピークに達します。発作は乳酸、カフェインなどによって誘発されることが証明されています。また人ごみや一人の状況、エレベーターなど密閉された空間を避けます。前に発作が出た場所で再び出やすいことも分かっています。

社交不安障害(SAD)

社会や大勢の中で何か恥ずかしい思いをするのではないかと極度に不安を感じます。その結果人前で話したり、人が沢山いる場所に行けなくなったりします。また自分が怖いと感じている状況に出くわすと動悸、発汗、下痢、緊張、紅潮、混乱などの不安症状が現れます。自分でも社会に対して過度に怖がることについて変だと分かっていても、怖いという気持ちを抑えられなくなります。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

精神的に衝撃を受けた出来事がトラウマとなり、不快や苦痛な記憶が突然よみがえるほか悪夢として反復されたりします。身体的な症状では動揺、動悸、吐き気、頻脈、息苦しさ、筋肉の硬直、冷や汗などが挙げられます。衝撃的な出来事を思い出し悲しむことや夢に出てくることは誰にでも起こりえますが、一か月以上症状が続くようでしたらPTSDが疑われます。

適応障害

明確な原因となるストレスがあって、そのストレスが日常生活に支障をきたしている状態をいいます。情緒面では不安や怒り、焦り、抑うつ気分が起こります。行動面では過剰な飲酒、暴食、無謀な運転、会社の無断欠席、けんかなどがあります。また身体面では強い不安を感じるときに動悸やめまいを覚え、汗をかいたりします。診察のガイドラインでは統合失調症やうつ病、不安障害など他の診断基準を満たす場合は適応障害とは診断されません。適応障害患者の40%が5年後にうつ病と再診断されていることから(厚生労働省|みんなのメンタルヘルス|適応障害より)、適応障害はその後に続く精神病の前兆とも言われています。

まとめ

動悸を伴う精神的な病気を挙げてきました。精神疾患で病院を受診する患者さんは年間300万人を超えており(厚生労働省より)、誰もがかかる可能性を持ちます。もし症状が当てはまるようだったら、悪化する前に病院を受診して適切な治療を受けましょう。認知行動療法や心理療法、薬物療法など治療法はさまざまですが、医師との相性も重要です。自分に合う医者と信頼関係を持って取り組むことが大事です。 

参照リンク慶應義塾大学病院|気分障害
厚生労働省|こころもメンテしよう|不安障害
特定非営利活動法人 標準医療情報センター|心の痛み:心的外傷後ストレス障害(PTSD)
厚生労働省|みんなのメンタルヘルス|精神疾患のデータ
日本不安症学会|日本不安症学会とは
厚生労働省|みんなのメンタルヘルス|PTSD
厚生労働省|みんなのメンタルヘルス|適応障害