玉ねぎはどんな料理にも合う万能な野菜。毎日と言っていいほど家庭でよく食べられている馴染み深い野菜です。玉ねぎの有名な効能は血液をサラサラにする働きで、「酢玉ねぎ」という食べ方も一時期流行りました。赤や紫などの品種もあり、目で楽しむこともできる野菜です。色々な食べ方で毎日の健康管理に役立てましょう。

目次

玉ねぎってどんな野菜?

玉ねぎはユリ科に属する野菜で、大きくなった鱗茎(りんけい)と呼ばれる部分を食します。世界各国で栽培されていますが、日本では黄色い皮の黄玉ねぎが主流とされています。春先にとれる新玉ねぎや、ペコロスと呼ばれる小さい玉ねぎ、レッドオニオンやサラダ玉ねぎなど、色々な仲間があります。

玉ねぎ100gあたりの食品成分

エネルギー 37kcal
たんぱく質 1.0g
炭水化物 8.8g
カリウム 150mg
カルシウム 21mg
リン 33mg
0.2mg
ナイアシン 0.1mg
ビタミンB6 0.16mg
葉酸 16μg
パントテン酸 0.19mg
ビタミンC 8mg
食物繊維 1.6g

出典:農林水産省「食品成分データベース」を元にいしゃまち編集部が作成

玉ねぎに限らず、根菜類は炭水化物の量が多めです。食べ過ぎなければ問題はありませんが、厳しい糖質制限をしている人には少し気になる量かもしれません。玉ねぎには、主要な栄養成分の含有量は全体的に少なめですが、機能性成分と呼ばれる健康に良いとされる成分が多く含まれていますので、次の項で解説します。

必須栄養素ではないけど注目したい!玉ねぎに含まれる機能性成分

硫化アリル

玉ねぎは切った時に、ツンとした独特の匂いがするのが特徴です。この匂いの元とされているのが硫化アリルと呼ばれるイオウ化合物で、血栓をできにくくしたり、動脈硬化や糖尿病、高血圧を防ぎ、血液循環を良くしたりするのに役立つとされています。また、殺菌作用もあるので、風邪などの感染症予防にも期待できます。

硫化アリルは体内でアリシンという物質に変化します。このアリシンは、吸収率の低いビタミンB1の吸収を高め、効果を持続させる働きがあります。ビタミンB1は、糖質の代謝に欠かせない栄養素ですが、アリシンとビタミンB1が結合することで、長時間体内にとどまることができ、糖質が効率よくエネルギーに変えられるのを助けてくれます。これによって、疲労回復スタミナ増強、さらに不眠症の改善不安感の解消にまで役立つとされています。

ケルセチン

玉ねぎの薄い黄色の色素は、ビタミンP(柑橘系や野菜に含まれるフラボノイド)に含まれるポリフェノール成分の一種です。ビタミンPには毛細血管を丈夫にする働きがあり、歯茎からの出血防止や、青あざをできにくくする働きがあります。また、ポリフェノールには抗酸化作用があり、細胞の酸化を防いで老化防止に役立つとされています。

おいしく健康的に食べるコツ

たまねぎ-写真

硫化アリルやケルセチンは水に溶けやすいので、水に長時間さらすと栄養が損なわれてしまいます。洗うときは手早く、2〜3分程度で済ませましょう。また、硫化アリルは加熱にも弱いので、できるだけ素早く炒めるのが、効果を高めるポイントです。

一方、玉ねぎから甘みを引き出したい場合は、じっくり炒めるのが良いとされています。炒めるほど、砂糖の甘味の50倍とされているメルカプタンという物質が形成され、コクが出ます。料理によって分けながら、加熱時間を工夫しましょう。

また、玉ねぎを切ってから15分ほど時間をおくと、辛味成分が気体化するため、辛味が抑えられるとされています。サラダなど、生で使用するときに、知っておきたいコツです。

まとめ

玉ねぎには、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の予防や改善に役立つ、体に良い効果がたくさんがあります。特別なものを食べなくても、健康管理ができるというのはとても嬉しいですよね。この効果を十分に活かすためにも、水にさらす時間や、加熱の時間を意識して、効率よくとり入れてみましょう。