ダイエットをしている時に頼りがちな無糖やカロリーオフと書かれた商品。また、ノンアルコール飲料などの表示の裏にある本当の意味を知らずに安心しきっていませんか?

「無」「ノン」「低」「オフ」など、食品のカロリーや成分はさまざまな表現で表されます。この表示には規定があり、食品表示法によって決められています(強調表示)。言葉のマジックに惑わされないよう、しっかりと違いを知っておきましょう。

目次

強調表示にはどのようなものがある?

強調表示は、その成分が不足したり多く摂りすぎた場合に健康に影響を与える成分に、この商品にはその成分が多い・少ないという旨の表示ができるというものです。

多く含まれる場合は「アップ・含有・豊富」などの言葉が用いられ、少ない場合は「ノン・ゼロ・控えめ・カット」などの言葉が使用されます。消費者はなんとなく商品を選んでいるかもしれませんが、これらの表現には厳しい規定があり、販売者側は誤解を生まないように留意する必要があります。

カロリーや栄養成分が低い場合の規定は?

栄養成分が少ないことを強調する表示は、「含まない」「低い」旨があります。適用される成分は、主に熱量(カロリー)、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類(炭水化物)、ナトリウム(塩分)です。

含まない旨を表示する場合:無、ゼロ、ノン

低い旨を表示する場合:低、控えめ、少、ライト、ダイエット

これだけを見ると、ノンカロリーやカロリーゼロと書かれたものは該当成分や熱量が全く含まれていないように感じますが、実はそうではありません。
次の表にあるように、成分ごとに100g(ml)あたりの基準値が決められており、その値未満であれば含まないまたは低いと表現しても良いとされています。

 

栄養成分

含まないと表現されるもの

「無」「ゼロ」「ノン」など

100g(飲料の場合100ml)
あたり

低いと表現されるもの

「低」「控えめ」「少」など

100g(飲料の場合100ml)
あたり

エネルギー
(熱量)
5kcal(5kcal) 40kcal(20kcal)
脂質 0.5g(0.5g) 3g(1.5g)
糖類 0.5g(0.5g) 5g(2.5g)
コレステロール 5mg(5mg) 20mg(10mg)
ナトリウム 5mg(5mg) 120mg(120mg)

参照:適切な摂取ができる旨の表示基準値(食品表示基準より抜粋、一部加筆)|東京都福祉保健局 を元にいしゃまち編集部が作成

500mlのペットボトル飲料を飲んだ場合、ゼロカロリーと表現されていたもので最大25kcal、カロリー控えめと表現されているものであれば100kcalにもなる可能性があるということになります。

「カロリーが低いから大丈夫」と摂りすぎてしまうと、予想外に高カロリーになる場合もあるので注意が必要です。

ノンアルコールってどういう意味?

ノンアルコール飲料は、外観や味、香りがお酒に似ている飲み物で、アルコールの濃度が1%未満のものをいいます。今まではノンアルコールといっても微量にアルコールが含まれるものが多かったのですが、現在はアルコールを全く含まないノンアルコール飲料が増えてきています。

1%未満のノンアルコール飲料の場合は、多量に飲むと酔ってしまう場合もありますが、0%のものはそのような心配はありません。運転をする人や妊娠・授乳中でもお酒の雰囲気を楽しみたい人は、0%のノンアルコール飲料を選びましょう。

まとめ

食品のカロリーや成分はさまざまな表現で強調表示がされています。この表示はメーカーが「なんとなく」付けているわけではなく、きちんと法に基づいた基準があるのです。

表現の裏に隠された本当の意味を正しく理解することが、みなさんの健康の維持・増進に繋がることでしょう。「ノンカロリーと書かれていてもカロリーがある」ということをしっかりと覚えておいてくださいね。