毎日の歯磨きで何気なく自分の歯を見てみたら、「あれっ!歯茎が下がっている」って思ったことはありませんか?歯茎が痩せて見えることや、歯が長く伸びたように見えるのも同じことです。毎日の歯磨きを一生懸命頑張っている人でも歯茎が下がってしまう事は良くあります。では、いったいどうして歯茎が下がってしまうのでしょうか?今回は歯茎が下がる・痩せる原因について、歯科医師・岸本 佐智先生による監修記事で説明していきます。

目次

歯茎が下がる6つの原因

老化によるもの

どんなにしっかりケアを頑張っても、残念なことに少しずつ加齢によって歯ぐきは下がってしまいます。

しかし加齢による歯茎の退縮量は非常に少ない量です。ケアを行わないでいると歯周病やその他の原因で多くの歯茎が下がってしまいますので気を付けましょう。

歯周病

歯周病に罹ってしまうと歯茎が極端に下がってしまいます。

歯周病は歯を支えている骨や歯茎が失われていく病気で、歯茎が下がる大きな原因となります。さらに歯周病の菌は一本の歯だけに潜んでいる訳ではなく、口の中全体に潜んでいることがほとんどですので、歯周病になると多くの歯の歯茎が下がってしまいます。

過度の歯磨き

歯のケアをすることはとても大切なことです。しかし強い力でゴシゴシと歯を磨くと、歯茎にまで傷をつけてしまい、歯茎が下がってしまいます。歯の磨き方をしっかりと覚えて、適切な力で歯みがきをすることが重要です。

咬み合わせや歯ぎしり

咬み合わせの力や歯ぎしりでも歯茎が下がってしまいます。特定の歯に強い力がかかると、歯と歯茎の境の歯頚部(しけいぶ)と呼ばれる場所に力が加わり、そこから徐々に歯茎が下がってしまいます。自分では歯ぎしりをしないと思っている方も、音がしないタイプの歯ぎしりもありますので注意が必要です。

もともとの歯茎の厚さ

歯を支えている骨や歯茎がもともと痩せている人がいます。特に女性でやせ形の人に多い傾向があります。もともと歯茎が痩せている人は少しの力や軽度の歯周病でも歯茎が下がってしまいますのでケアには十分注意をしましょう。

歯並び

歯並びが悪い場合は歯茎が下がって見えることがあります。頬や唇側に飛び出している歯(八重歯など)は、もともと歯の頬側にある骨の量が少ないので、歯茎が下がっています。また歯並びが悪いと歯周病になりやすく、咬み合わせの力も均等に力が加わらず一部の歯に負担がかかってしまい歯茎が下がってしまいます。

歯並びが悪いと歯茎が下がる以外にも、むし歯になりやすくなるなど、様々な問題の原因となります。

最後に

歯茎が下がってしまうと年齢以上に老けて見えてしまう事があります。見た目だけでなく知覚過敏症になって冷たいものがしみたり、冬場は息を吸うだけで痛みが出てしまう場合もあります。

さらに歯茎が下がると象牙質と呼ばれるやわらかい歯質が見えてきます。象牙質は非常に虫歯になりやすく削れやすい歯なので、ケアが難しくなってしまいます。加齢による歯茎のわずかな退縮は防ぐことはできませんが、それ以外の原因で歯茎が下がらないように日頃のケアに注意をしましょう。