大豆イソフラボンは美容や健康作りに役立つ、体に良い成分として広く知られています。しかし、大豆イソフラボンは摂りすぎると副作用を発症する可能性も示唆されており、気を付けなければならない点もあります。

大豆イソフラボンの効果や摂取目安量、含まれている食品などについて詳しく見ていきましょう。

目次

大豆イソフラボンってどんな成分?

はじめに、イソフラボンは大豆だけではなく、クズやカンゾウなどの他のマメ科に属する植物にも含まれているということを知っておきましょう。
大豆イソフラボンとその他の食品に含まれるイソフラボンは構造が異なっており、効果も違うといわれています。

大豆イソフラボンは、大豆の中に含まれるダイゼイン、ゲニステイン、グリシステインと呼ばれる配糖体の総称です。
大豆イソフラボンは女性ホルモンと構造が似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれています。

大豆イソフラボンの効果と副作用は?

効果

大豆イソフラボンには、女性ホルモン様の働き、骨粗しょう症の予防、更年期障害の緩和、脂質代謝の改善などの効果があるといわれています。
しかし、更年期障害の症状である「のぼせ」、骨粗しょう症、2型糖尿病に対しては効果がないという報告もあり、有効性、安全性においてはまだはっきりとした結論には達していません。効果は可能性段階のものであると認識しておく必要があります。

副作用

次に、大豆イソフラボンの副作用について解説していきます。まず、普通の食事から適度に摂取する分においては安全であると考えられています。しかし、サプリメントなどの成分が凝縮された食品には注意が必要です。

大豆イソフラボンはエストロゲンの受容体に結合します。過剰に摂取してしまうと乳がんの発症や再発のリスクを高めるとの報告もありますが、その一方で乳がん予防になるとの正反対の結果が得られた研究もあるのです。

女性ホルモンは乳がんの発生を促進するといわれています。構造の似ている大豆イソフラボンが、乳がんを促進するのか予防になるのかという大事な部分に関してはまだはっきりとした結論が出されていないということがいえるでしょう。

健康的な人が大豆イソフラボンを摂取する分には良いのかもしれません。しかし、乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫などのホルモン感受性が高い状態にある女性は、念のため大豆イソフラボンの摂取を控えるようにしましょう。

大豆イソフラボンが多く含まれる食品と摂取目安量

多く含まれる食品

大豆イソフラボンは、味噌、豆腐、豆乳、納豆などに多く含まれています。日本人にとって大豆製品は欠かせないものであり、健康維持に必要な成分が含まれています。
そのため、副作用が怖いからといって、健康的な人が摂取をやめてしまう必要はありません。

副作用が問題となるのは主にサプリメントなどの健康食品による場合です。大豆イソフラボンの1日の摂取目安量は、糖が外れた状態のアグリコンとして換算され、上限は70〜75mg/となっています。さらに、健康食品を併用する場合は30mg/の範囲内に収まるように摂取すれば問題はないとされています。

大豆イソフラボンの含有量は、1つの食品の中でも商品によって大きく異なっています。さらに、普通に食事をする場合には正確に含有量を計ることはできません。食品中の大豆イソフラボンの量は目安にしかなりませんが、下記の表を参考にしてみてください。

食品中の大豆イソフラボンの平均含有量(mg/100g) 【アグリコン換算】

食品 平均含有量
大豆 140.4
豆腐 20.3
おから 10.5
油揚げ 39.2
味噌 49.7
納豆 73.5
豆乳 24.8

参照:食品安全委員会|大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&Aを元にいしゃまち編集部が作成

まとめ

大豆製品に多く含まれている大豆イソフラボンは、エストロゲン受容体に結合して体に良い効果をもたらすと考えられていますが、摂り過ぎると副作用が出る可能性も示唆されています。

大豆製品にはたんぱく質やカルシウムなどの健康のために欠かせない栄養素も含まれています。1つの食品に偏らず、バランスよく色々な食品をとり入れることで、1つの栄養素の過剰摂取を防ぐことができるでしょう。