子供の頃からずっと気になっていた顔や身体のあざや、気がつかないうちに身体にできていたあざ。

これらの気になるあざは消すことができるのでしょうか? あざの種類や原因によって異なる治療法を解説します。

目次

あざって何?

一般的に「あざ」というと皮膚の色の変化を指し、その色の違いによって赤あざ、青あざ、茶あざ、黒あざなどと呼ばれています。

医学用語では母斑(ぼはん)ともいいますが、母斑は皮膚の奇形もしくは奇形による良性腫瘍と考えられているため、必ずしもあざとイコールというわけではありません。

青あざ

蒙古斑

日本人など黄色人種の赤ちゃんの多くで、お尻から背中にかけて青あざが見られることがあります。

これを蒙古斑といいます。ほとんどの場合蒙古斑は次第に薄くなり、10歳前後には大部分がなくなります。そのため、特別な治療は特に必要としません。

持続性蒙古斑

蒙古斑は大抵の場合自然に消えますが、約3%の人が大人になっても残るとされています。このようなものを持続性蒙古斑といいます。治療はレーザー治療が主に用いられます。

異所性蒙古斑

蒙古斑はお尻から背中にかけて生じるものですが、稀に腕や足、お腹や胸などに蒙古斑が生じることがあります。

これは異所性蒙古斑と呼ばれ、10歳頃までにある程度色は薄くなるものの、完全に消えることは少ないです。レーザー治療が最もよいとされています。

太田母斑

顔に現れる青あざを太田母斑といいます。顔の片側にあるものが多いですが、まれに両側にあるものもあり、症状は様々です。時には白目や口の中にも色がつきます。

自然に治ることはないため、レーザー治療で色を薄くしていきます。

伊藤母斑

太田母斑と同じようなあざが肩から肩甲骨・上腕にかけてみられることがあります。これを伊藤母斑といいます。

レーザーによる治療が行われます。

青色母斑

顔や手足の甲、体幹などに現れる小豆くらいの小さな青いしこりを青色母斑と呼びます。

青色母斑細胞というメラニンを持つ細胞が増殖したもので、多くは乳幼児期に生じます。悪性化する可能性があるので、切除することがあります。

赤あざ

単純性血管腫

生まれた時から見られる赤色~暗赤色の平らなあざで、身体のどこにでも発生します。皮膚の血管が増えて透けて見えてしまうことが赤く見える原因です。遺伝性のものではありません。

自然には消えませんがレーザー治療によって赤みを薄くすることができます。

イチゴ状血管腫

生後数週間後に現れる赤いあざで、イチゴのようにブツブツとして盛り上がっているのが特徴です。皮膚の血管が増えてしまうことが原因です。

生後6ヶ月頃〜1歳頃までは大きく膨らんでいきますが、次第に色も薄くなり範囲も小さくなります。

小学校入学頃には治ることが多いのですが、大きなあざの場合は跡が残ることがあるため、最近では早期にレーザー治療をはじめることが多くなっています。唇にできたもの、眼を圧迫するものなど特殊な場合は、ステロイド療法を行う場合があります。

海綿状血管腫

表面は薄い青色で、小さな赤い斑点がみられる程度ですが、皮膚は少し盛り上がっていて触るとスポンジのような柔らかさがあります。

自然に治ることはなく、皮膚の深いところに原因の腫瘤(しゅりゅう)が存在するためレーザー治療ではなく外科的な手術療法がメインとなります。

ウンナ母斑

うなじに薄い赤いあざが見られます。自然に消えることもありますが、成人になっても残る場合があります。

うなじなのであまり目立ちませんが、消えないものは希望によってレーザー治療を行います。

サーモン・パッチ

おでこから眉間、目の周りにかけてみられる薄い赤いあざをサーモン・パッチといいます。

2~3歳までに多くの場合は消えます。

黒あざ

ほくろ

メラニン色素を生む母斑細胞が増えたものを色素性母斑、母斑細胞母斑といいます。色素性母斑はいわゆるほくろのことで、黒子、通常型、巨大型に分かれます。この中でサイズが大きい通常型、巨大型を黒あざと呼びます。

多くは生まれた時からあり、大きさ・形やできる場所は様々です。なかには硬い毛が生えていることがあり、有毛性色素性母斑といいます。巨大型は通常の色素性母斑と比べると悪性化しやすいと言われています。

そのままでは消えないので、外科的処置やレーザー治療で対処します。

茶あざ

扁平母斑

褐色で盛り上がりがなく、楕円形が多いものの形や大きさは一定でないあざです。生まれつきあることも思春期に出ることもあります。

いずれも消えることはなく、現在ではレーザーによる治療が中心となっていますが、効果を期待できないことが多くあります。

白あざ

尋常性白斑(白なまず)

肌の色が抜けたような白い斑点が身体中にできるものです。尋常性白斑は、症状が全身におよぶ非分節型白斑と一定の場所だけ白くなり若年者に多い分節型白斑に分かれます。

非分節型白斑は拡大する時期と安定する時期を繰り返しながら白斑が徐々にふえていきます。分節型白斑は神経に沿って白くなります。主に身体の片側に症状があらわれます。

尋常性白斑の治療法としてステロイド薬の投与や紫外線照射、また表皮移植手術などがあります。

脱色素母斑

メラノサイトの機能不全で生じます。生まれつきのものですが、成長とともに気づかれることが多いです。その大きさは変わることはありません。

健康に害を及ぼすことはありませんが、気になる場合は紫外線照射や皮膚移植などを行います。

まとめ

あざは様々な種類があり、種類によって治療法が異なります。
正しい診断により、効果的な治療を受けることが可能となりますので、気になる症状がある場合は一度医療機関(皮膚科、形成外科等)に相談されることをお勧めします。