軽度の腹痛が起こること自体は多くの人が経験することで、あまり重要視する必要性はありません。しかし、よく腹痛を起こし、下痢をしている状態が続くことで日常生活に支障をきたしている場合は何らかの病気が潜んでいる可能性があります。症状をよく観察し、大きな病気となる前に早めに異常に気がつくことが大切です。

目次

慢性腹痛とは?

慢性的な腹痛は、成人の約2%が抱えている病気です(メルクマニュアルより)。主に女性に起こります。

3ヶ月の持続的な腹痛を慢性腹痛、間欠的に起こるものを反復性腹痛といいます。

聞き取りや診察などでは診断が難しく、生理的な原因があるのか、機能的なものであるのか特定することが難しい疾患です。

慢性腹痛の原因について

何らかの基礎疾患を持っており、その疾患などによって引き起こされる腹痛は生理学的な腹痛と分類されます。

生理学的な腹痛の原因となる疾患としては以下のようなものが考えられます。

消化器疾患

泌尿生殖器疾患

全身性疾患

反対に、体の組織において解剖学的・病理的な異常が見当たらないにも関わらず、体の臓器や器官のはたらきが低下する疾患を機能的な疾患といいます。

慢性腹痛の原因が生理学的なものであるか、機能的なものなのか特定することは困難な場合が多いです。機能的な原因で起こる慢性腹痛も、生理学的な原因のものと症状は類似しています。

機能的な慢性腹痛の原因としては、心理的なものが多いとされています。

何科にかかればいいの?

慢性腹痛

慢性腹痛の場合、まずかかるべきは消化器内科や胃腸科のクリニックです。

「◯◯内科」という看板が出ていれば間違いなく診察はしてもらえますが、医療機器などが揃っているより専門的なクリニックを選択しましょう。

クリニックにおいてより専門的な治療が必要だと診断された場合は、診療情報提供書(紹介状)を書いてもらい総合病院を受診する、というのが正しい流れです。

検査方法

胃腸の病気を触診だけで診断するのは難しく、しばらく治療を受けても良くならない場合は内視鏡や腹部CTなどの検査が必要になります。

消化器の症状では常に悪性腫瘍の可能性を疑う必要があるのです。

慢性腹痛の主な検査

部位 検査方法
肝臓 腹部超音波

腹部CT

胆嚢
腎臓
脾臓
前立腺
子宮・卵巣
膵臓 腹部CT
胆管 造影剤による検査
尿管
膀胱 膀胱鏡
食道・胃 内視鏡
十二指腸
大腸

参照:腹痛|大人の病気・症状ー町医者の家庭の医学を元にいしゃまち編集部が作成

まとめ

検査で異常が見られない場合も多く、その場合はほとんど心配はないと言われていますが、それでも良くならない場合はかかる病院を変えてみるのも良いでしょう。

腹部の病気は多様なため、慎重に調べていく必要があります。信頼のできる医師のもとで、十分に相談をしながら治療を続けていきましょう。