妊娠中は、適度に運動しないと難産に繋がると耳にされた方も多いかと思います。実際は運動しなかったから難産になるわけではありませんが、妊娠前に適度に筋力や体力をつけておくことは重要です。
妊娠中のからだは、身重という言葉があるだけに、からだ全体が重く、動くのが億劫になりがちです。
適度な運動をとは言われても、どんな運動が妊婦さんにとって適度なのでしょうか?ここでは、妊娠中の運動について、やって良いもの、悪いもの、禁止すべき運動などをご紹介したいと思います。

目次

妊娠中は運動したほうがいい?

妊娠中のからだは、体重の増加や、背骨の彎曲、重心の前方移動、関節のゆるみ、心臓や肺への負荷増加、基礎代謝率の増加などの変化が起こるため、スポーツには不向きな状態になっています。
ですが、適度な有酸素運動を行うことで、下記のようなメリットがあります。

  • エアロビクスは、痛みの軽減や、妊娠週数に対して赤ちゃんが小柄になる頻度が少なくなるなどの効果があり、ウォーキングをするよりも効果が高いことが報告されています。
  • マタニティスイミングは、運動していない場合に比べて早産率や先天奇形を軽減させる効果が報告されています。
  • 最低週2~3回の有酸素運動(エアロビクス・エクササイズ)を行っている妊婦さんは、早産率を増加させずに、身体機能を増進・維持させることができ、難産の原因になりやすい巨大児のリスクを軽減する効果が報告されています。

上記のように適度な有酸素運動は、健康の維持・増進だけでなく、赤ちゃんにもいい影響があることがわかっています。

運動をする際の注意点

ただし、運動を始める前には必ず事前に医師の許可をもらっておきましょう。
そして、心臓や呼吸器に疾患をお持ちの妊婦さんや、双胎・多胎の妊婦さん、切迫流・早産、子宮頚管無力症、前期破水、性器出血、前置胎盤や低置胎盤、妊娠高血圧症候群などの妊娠合併症の方は、運動をすることは危険とされていますので、やめておきましょう。

また、運動中に立ちくらみや頭痛、胸痛、呼吸困難、筋肉疲労、ふくらはぎの痛みや腫れ、お腹の張りやつっぱり感、性器出血、胎動の減少や消失、羊水が流れ出る感じがあった場合は、すぐに運動を中止して、かかりつけの産婦人科に連絡、受診するようにしましょう。

おすすめの運動方法

妊娠中におすすめの運動は、全身の筋肉を使って酸素を十分に取り入れる下記のような有酸素運動になります。
マタニティスイミングやマタニティヨガなど妊婦さん向けのプログラムを提供してるところもありますので、教室に通われる場合は妊娠している方専用のプログラムのあるところを選ぶと安心です。

  • ウォーキング
  • 水泳
  • ヨガ(ホットヨガは除く)
  • エアロビクス
  • エアロバイク
  • ピラティス

おすすめできない運動方法

妊娠中は、前述のとおり、スポーツに適さないからだとなっています。特に、バランスを必要とするもの、人や物と接触する危険性のあるもの、競技的性格の強いスポーツなどはおすすめできません。また、屋外で行うスポーツも気候によっては控えた方がいいでしょう。具体的には下記のようなスポーツになります。

  • ホッケー
  • バスケットボール
  • サッカー
  • ボクシング
  • レスリング

絶対してはいけない運動方法

妊娠中は、からだのバランスが悪く、咄嗟の反応が難しいため、下記のような妊娠前でも危険を伴うスポーツは絶対に避ける必要があります。

  • 体操競技
  • スキー(雪・氷上)
  • ハングライダー
  • スキューバダイビング
  • 激しいラケットスポーツ
  • 乗馬
  • スケート
  • 重量挙げ

まとめ

妊娠中の運動は、有酸素運動がおすすめです。妊婦さん向けのプログラムのある教室を最近は多く見かけるようになりました。自宅でマイペースに有酸素運動を取り入れるのも1つですが、そういった教室に通うことで、ママ友を作るきっかけになったり、新しい経験ができて気分転換にも繋がります。一度、お近くのマタニティプログラムのある教室を探してみるのはいかがでしょうか?