感染症にはさまざまな種類があります。
一般的な感染症である風邪やインフルエンザなどは冬に流行するイメージがあるかと思いますが、ほかの季節に流行がみられる感染症も数多く存在します。ここでは、季節ごとに流行する感染症を分類し、それぞれどのような予防法を実施するべきなのかについて説明します。

目次

一年中気をつけるべき感染症

季節を問わずリスクがある感染症としては、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)結核などがあります。
これらの感染症は特定の季節に気をつけるべき感染症というよりも集団(学校・職場など)内に感染者がいるかどうかが流行に影響します。

また、同様に一年中流行の可能性があるものとして突発性発疹があります。これは、生後6か月~1歳代にかけて発症するヘルペスウイルスによる感染症です。38~39℃の発熱が数日続いたのちに全身に赤い発疹が現れます。あまり病名は一般的に知られていませんが、比較的よく見られる病気です。

また、食中毒も一年中注意しなければならない感染症です。
一般的に食あたりは、夏に多く見られるものだと考えられがちです。しかし、実際はほかの季節においても多くの症例が確認されています。涼しくなったからといって食品の管理をないがしろしないように気を付けましょう

春・夏に流行する感染症

春と夏を中心に流行する感染症として代表的なのは、咽頭結膜熱(7~10月)手足口病(4~9月)、麻疹(3~5月)、風疹(3~5月)などです。いずれも、乳幼児や小児を中心に流行する感染症です。
麻疹や風疹はワクチンによって感染を予防することができますが、手足口病や咽頭結膜熱に関しては現在予防に有効なワクチンが存在しません。したがって、それぞれに対して有効な予防策を講じる必要があります。

手足口病で最も有効な感染予防策は手洗いと排泄物の適切な処理です。感染しても特に症状が出ないこともあるので、感染者に接しないからといって感染予防を怠らずに、流行時には感染予防策を徹底するべきでしょう。

また、咽頭結膜熱(プール熱)でも同様に手洗いやうがいの徹底が重要となります。また、消毒も有効とされているため、手洗い後のアルコール消毒や感染者が触れた物品の煮沸、次亜塩素酸による消毒なども積極的に行うとよいでしょう。

秋・冬に流行する感染症

秋も深まって気温が下がってくると徐々に流行する感染症の種類も変化していきます。気温の低下とともに流行がみられる感染症として代表的なものは、インフルエンザ(11~3月)ロタウイルス・ノロウイルスを原因とする感染性胃腸炎(11~3月)です。

これらは他の感染症と比べて比較的感染力が強いため、予防に対しても十分な注意が必要となります。インフルエンザやロタウイルスは予防のためのワクチンがあり、それを接種することが予防に有効でしょう。また、ワクチンは100%の予防を実現するものではないので、繰り返しになりますが手洗いやうがいなどの標準的な予防法を徹底することも大切です。

まとめ

このように、季節によって流行する感染症には違いがみられます。しかし、予防法はワクチンの有無などを除けば、手洗い・うがいの徹底やマスクの着用など基本的には同じです。それらの予防法をどれだけ油断せずに徹底して行うことができるかどうかが重要となります。これから寒い日が増えていきますが、今年こそは風邪やインフルエンザに負けずに健康で過ごせると良いですね!