「寝ても寝ても眠い」「人より睡眠時間が明らかに多い気がする」「夜もしっかり眠っているはずなのに、日中抗えないほどの眠気に襲われる」…このような症状で日常生活に支障をきたしている場合、過眠症と診断されることがあります。

過眠症にはいくつかタイプがあり、それによって症状や治療法も異なってきます。
きちんとした診断は睡眠外来などの医療機関にかかる必要がありますが、まずは自分があてはまりそうな項目がないか、この記事でチェックしてみてください。

目次

ナルコレプシー

ナルコレプシーは日中に何度も強烈な眠気が襲ってきて眠り込んでしまう睡眠発作がみられることが特徴です。眠気が襲ってくると、入試や商談中などの大切な時でも眠ってしまいます

発症は10歳代であることが多い病気です。
睡眠発作の症状以外にも、驚いたときや笑ったときに急に力が抜ける情動脱力発作や、入眠時にみられる幻覚、金縛りの症状が起こると言われています。

特発性過眠症

夜間の睡眠を充分にとっていても日中に強い眠気を感じて長時間の居眠りが生じ、1日の合計の睡眠時間が10時間以上に及ぶ睡眠障害です。
「休日に1日だけ寝すぎた」ということは誰しもあるかもしれませんが、特発性過眠症の患者さんの場合、症状は6か月以上の長期間に及びます

比較的まれな過眠症で、多くは25歳未満で発症します(日本睡眠学会より)。

さらに、長時間寝ても目覚めはすっきりせず寝ぼけたような状態です。頭痛、起立性低血圧、頻脈、レイノー現象(手足の皮膚の色が蒼白~青紫色に変色する症状)を伴うことがあります。

反復性過眠症

非常にまれな過眠症で、昼夜関係なく1日15時間以上眠り続ける傾眠状態が数日間から2週間程度続く病気です。症状は自然に回復しますが、その後も睡眠時間が異常に長くなる傾眠期が不定期に訪れます

傾眠状態の患者さんは強い刺激を与えると目を覚ましますが、ぼんやりとした状態で呼びかけに対する返答も少なく、周囲への注意・関心も乏しい状態です。放っておくとすぐに眠り込んでしまいますが、食事や排泄は自分で行えます。

傾眠期の後半では衝動的な行動や遠慮のない行為、攻撃性、錯覚、性的な言動など、精神的に抑制が効かなくなる状態がみられることもあります。

過眠や日中の眠気をもたらす他の病気

上記で紹介した過眠症以外にも、過眠や日中の眠気をもたらす病気はたくさんあります。

たとえば、睡眠時無呼吸症候群のような睡眠の質が低くなる睡眠障害概日リズム睡眠障害では、夜間に充分な休息が取れず日中にも眠気を感じることがあります。
また、向精神薬や抗ヒスタミン剤などを服用している場合にはその副作用で眠気を感じることもあります。

まとめ

過眠症は耐え難い眠気によって日中眠り込んでしまうため、学業や仕事などの日常生活にも支障をきたします。
夜間しっかりと睡眠をとっているはずなのに、日中の眠気に耐えられず眠ってしまうような方は、お早めに睡眠外来などを受診し、適切な治療を受けましょう。