これから暑くなる季節、性器のかゆみが気になることが多いもの。でも、病院に行くのも人に相談するもの恥ずかしく、対処に困りますね。そのかゆみは病気なのか、どんな時に病院に行ったらいいのかまとめてみます。

目次

女性の性器のかゆみ(非感染性)

女性

女性の性器のかゆみの原因は、身近な問題で以下のようなものが考えられます。

  1. おりもの、汗、尿などによる刺激や汚染
  2. 生理用品(ナプキンやおりものライナー、タンポン)によるかぶれや蒸れ、摩擦、雑菌の繁殖
  3. 閉経や月経周期に伴うホルモンバランスの変化
  4. 衣服(ガードル、ストッキング、下着、ジーンズ)による摩擦や繊維刺激、締め付け

特に女性では月経前の性器のかゆみを訴える方が多くいます。それは月経前にかけておりものの分泌量が増えることで、性器周辺の湿度が高くなり皮膚や粘膜自体が刺激に弱くなること、ホルモンの影響で免疫力が低下し、皮膚が敏感になることなどが原因として考えられます。

それに生理用品の刺激が加わり、かゆみだけでなくヒリヒリした痛みに症状が増幅することもあります。そのような状態になると、既に皮膚や粘膜自体が傷ついている可能性があり、雑菌も繁殖し、腫れなどの炎症を引き起こしやすい状態になってしまいます。

 

閉経前後では、ホルモンの分泌が低下し萎縮性膣炎という症状を引き起こすことがあります。これは、おりものが減少したりおりものの性状が変化したりして乾燥感やかゆみが発生することが原因となります。膣の清浄力が減少することで炎症を引き起こしてしまうので注意が必要です。

男性の性器のかゆみ(非感染性)

男性の白黒写真

男性の感染を伴わない性器のかゆみには、以下のような原因によるものが考えられます。

  1. 汗などによるムレや下着の擦れ乾燥によるかゆみ
  2. 陰嚢湿疹
  3. ローションやオイルなどによるかぶれ

男性も女性と同じく、下着の中の蒸れや、下着の擦れによるかゆみが発生します。加えて、男性の性器は突出しているため、特に冬場は乾燥によってもかゆみを引き起こします。

また、原因は不明ですが、陰嚢を中心にした湿疹によりかゆみが発生することもあります。食物等も含めたアレルギー反応や疲れに下着の刺激が加わって起こるものと考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。

 

もうひとつ、性感染症と疑いたくなるタイミングでのかゆみとして非感染性のものがあります。それは、性行為時に使用したローションやオイルで引き起こされるかゆみです。

性行為後に性器のかゆみが発生すると、まず性感染症を疑いますが、時折使用した潤滑剤でのアレルギー症状やかぶれでかゆみを引き起こすことがあるのです。

子どもの性器のかゆみ(非感染性)

青空と女の子

特に女児に多く、尿の拭き取り不足により発生することが多くあります。尿が残っていることで粘膜を刺激してしまい、ひりひり感やかゆみを発生させます。

このような場合、大人の場合と同じく掻くと症状が悪化してしまいます。お子さんには、排尿後に優しく拭き取ることやお風呂できちんと洗うこと、下着を毎日替えて清潔を保つことを教え、時には保護者も確認してあげたいですね。

感染症によるかゆみ

上記とは別に、菌やウイルス、原虫などの感染により、性器のかゆみをもたらすことがあります。性器のかゆみを引き起こす感染症には以下の様なものが挙げられます。

ケジラミ

ケジラミという吸血性の昆虫が感染(寄生)することにより発症します。性行為だけでなく、タオルの共有や毛布の共有などによっても感染します。

男女ともに湿疹のない強いかゆみを伴うことが多い感染症です。1990年代から増加傾向にあります。

性器カンジダ症

カビの一種が原因となる感染症で、性行為以外でも感染する可能性があります。もともと膣内や腸管に持っていることもある菌ですので、体調を崩した際や免疫が落ちた時、妊娠時等に発症することがあります。男性は比較的症状が出にくいですが、包茎の方が女性と同じようにかゆみが出る場合が多いです。

白癬症

白癬菌という水虫やたむしの原因になるカビの一種に感染して起こるもので、これも性行為以外でも感染の可能性があります。むずがゆさがあり、性器から太もも方向へ放射状に湿疹や皮疹ができます

膣トリコモナス症

トリコモナス原虫による感染により引き起こされます。主に性行為で感染し、男性では無症状のこともありますが、女性ではむずがゆさから始まり、立っているのも難しいほどのかゆみが出ることがあります。かゆみから次第に外陰部にひりひりした痛みに変わっていき、黄色や黄緑色で泡状の悪臭のあるおりものが多く出るのが特徴です。

最後に

市販薬には性器のかゆみに効果のあるものも多く販売されています。非感染性のものには効果のあるものもありますが、症状が続く場合には病院を受診し、一度きちんと原因を確認する事をお勧めします。