眼のトラブルにはいろいろありますが、その中に「雪目」というものがあります。雪目とは一体どのような病気なのでしょうか。ウインタースポーツをする人は是非知っておきたい「雪目」についてみていきましょう。
雪目って何?
スキーやスノーボードなど冬ならではのスポーツをする時に気をつけたいのが「雪目」で、正式には「雪眼炎」といい、過剰な紫外線を浴びることにより起こります。したがって雪目(雪眼炎)といっても、海水浴や山登りでも起こることがあります。
スキー場で天気が良い時、ゲレンデに出て、眩しいと感じた経験がありませんか?これが雪目の原因です。
冬でも、天気が良い時は紫外線が降り注ぎます。ゲレンデなど、紫外線を遮断する高い建物がない場所は直接照らされますし、「輝くばかりの銀世界」はすなわち地表に降り注いだ見える光、見えない光(紫外線)もひっくるめて反射して私たちの眼に入ってきます。そのため美しくキラキラして見えますが、同時に眼は紫外線を浴びているのです。
この照り返しから目を守ってくれるのが、ゴーグルなのです。
ひとみ(角膜)は紫外線の9割を吸収するようにできているため、もし、ついゴーグルを付け忘れたまま長時間ゲレンデにいるなどで紫外線を過剰に浴びると、角膜の細胞は傷つき、眼に炎症を起こしてしまいます。これが雪目(雪眼炎)です。つまり、雪目は簡単にいうと「眼の日焼け」のことなのです。
また、同じ紫外線が原因の症状に「電気性眼炎」があります。この電気性眼炎は、溶接時での紫外線が原因となっている眼の日焼けのことです。
紫外線の照り返し?
では、実際に紫外線の雪の照り返しはどの程度かというと、地表状況別の紫外線の反射率は以下の通りです。
紫外線の反射率 | |
新雪 | 80% |
砂浜 | 10~25% |
水面 | 10%~20% |
アスファルト | 10% |
草地・土 | 10%以下 |
(気象庁より引用)
上記のように新雪の場合は紫外線の反射率も高く、紫外線の影響を強く受けます。そのためスキーやスノーボードに行ってゴーグルをつけないでいたとき、日焼け止めを使えない角膜は非常に無防備で、雪目を起こすリスクはダントツです。
つまり雪のある場所では、いつも以上の紫外線対策が必要になってきます。
雪目の症状は?
雪目(雪眼炎)になると、次のような症状が現れてきます。
- 眼がゴロゴロする
- 眼が痛い
- 眼が赤い
- まぶしい
- 涙が出る
- 痛くて眼が開けられない
角膜の表面は傷だらけ。ゴミが入ったときに白眼が真っ赤になり、涙が出たりゴロゴロしたりしますが、雪目は取れないゴミがいっぱい入っているような感覚です。
しかしこの紫外線の影響は浴びてすぐに症状が現れるわけではありません。紫外線を浴びて約6時間~10時間後ぐらいに時間差で症状が現れてくるため、楽しく帰宅して深夜になって痛くなるのも雪目の特徴です。
雪目になったら?
雪目になっても角膜は再生能力が優れているので基本的には1~2日ほどで軽快します。
ただ、スキーに行ってその夜に眼が痛くなったからといって、必ず雪目とは言えません。本当にゴミが入っていたり、別の病気で痛くなったりすることもあるので、しばらく様子を見ていても痛みがよくならない・症状がどんどんひどくなるという場合は医師の診察を受けるようにしましょう。
まとめ
紫外線は皮膚だけではなく眼への影響も大きいのです。ウインタースポーツで屋外にいるときは必ずゴーグルをつける・溶接時は保護眼鏡を忘れずに使用するようにしましょう。
正しい知識を持ち紫外線対策をしっかり行うことで、雪目は防ぐことができる病気です。お肌も眼も、ぴかぴかのまま翌朝を迎えましょう。