手の指が赤い、腫れてヒリヒリ痛くなってきた。こんな症状でお悩みの方は、もしかするとしもやけにかかっているのかもしれません。正式には、「凍瘡(とうそう)」と呼ばれる皮膚の病気です。しもやけは、どんな症状が起きるのでしょうか。予防法と合わせてご説明します。

目次

しもやけはどんな病気?

しもやけは、医学的には「凍瘡」と呼ばれています。気温が4~5度程度で一日の気温の差が10度以上になる冬の季節に、しもやけを起こしやすくなると言われています。

皮膚が冷たい外気にさらされて血管が収縮し、その後暖かくなって血管が拡張されるなど、血管が収縮と拡張を繰り返すと血液循環に障害が起こってしまいます。きつい靴を履くなど、血行の障害が重なったり、水仕事の後など皮膚が濡れたままだと、水分が蒸発するときに皮膚の温度が下がるため、さらに発症しやすくなります。

しもやけを起こしやすい場所は、手足の指先、耳たぶ、頬、鼻など、冷たい風にさらされる場所に起こりやすいといえます。特に手、足などの末梢の血管は、血行が悪くなりやすいため、しもやけが起こりやすいのです。

子供が多くかかりますが、特に女性では大人になっても繰り返す人がいますし、高齢者にも起こります。

しもやけはどんな症状が起こる?

  • 皮膚が赤く(赤紫)腫れあがる
  • 酷いときは水ぶくれを起こす
  • かゆみや痛痒さがある
  • じんじん熱い感じがする

手や足の全体が真っ赤になり、腫れあがるタイプと、1センチ前後の赤くかたいしこりや水疱が現れるタイプが大部分を占めます。

しもやけの原因は?

皮膚は、表面から表皮、真皮、皮下組織と3つの部分から構成されています。真皮の血管は、細かい網の目のようになっていて、気温が高いときには広がり、低いときには縮んで血流を調整しています。血流を整えることによって、体温を調節するからです。

この真皮の血管の機能が働かなくなると、局所的に血行障害が起きて、血管の障害に繋がり、その周りが炎症してしまい、皮膚が赤くなったり腫れたりするのです。

しかし、寒気に当たっても、しもやけを起こす人と起こさない人がいることが知られています。血行の回復には遺伝的な差があり、しもやけになりやすい体質となりにくい体質の人がいると考えられています。その他は、栄養状態や身体の分泌機能の異常も関係していると分かってきました。

しもやけを予防するには?

手袋

皮膚を外気にさらさない

しもやけにならないようにするには、皮膚を外気にさらさないようにすることが大切です。冬に外出するときは、手袋、マスク、耳あて、帽子などの防寒具を身にまとって身体から冷気を遠ざけるようにしましょう。また、裸足のままで靴を履くと蒸れた後に冷えるので、靴下などを履くようにします。

保温に努める

冷え性の人がしもやけになりやすい傾向があります。身体を温める食べ物、飲み物を摂る、入浴やマッサージをして身体全体を温めて、血行の流れをよくするように努めましょう。

皮膚の温度変化に気を付ける

冬の寒いときに身体に水が残っていると急激に皮膚の温度が下がってしまいます。水仕事をしたときや汗をかいたときは、水気をよくふき取るようにして、皮膚の温度が下がりすぎないように気を付けます。

しもやけと似た病気は?

1.ひびあかぎれ

手足が赤く腫れてジンジンとした感覚や痛みが起きます。ひびやあかぎれの原因は、皮膚の表面が乾燥したことによる炎症のため、しもやけのようにかゆみを起こすことはありません。

2.手湿疹

手に湿疹ができて、赤み痒みひびわれなどの症状が現れます。原因は、皮膚の乾燥が主なものですが、ストレスや不眠も悪化原因になることがあります。

手湿疹については、「手がかゆくて仕方ない。これって手湿疹?」をご覧ください。

3.全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデスという膠原病も、しもやけのように手が赤く腫れて痛みやかゆみの症状が現れ、その他にも様々な内臓症状が起きることがあります。皮膚の症状だけではしもやけとの区別が難しいので、血液検査などで詳しく調べることが必要となります。

まとめ

しもやけは、医学的には「凍瘡」と呼ばれ、皮膚が冷たい空気にさらされて血行不良に陥ることで発症します。主な症状は、手のかゆみ、痛み、発赤などが挙げられます。しもやけにならないようにするために、皮膚の保温に努め、急な温度変化に気を付けましょう。また、痛みや腫れがひどかったり、水疱になったり、日常生活に支障がある場合には皮膚科を受診しましょう。

寒い季節以外にも症状が出る、関節が痛い、熱があるなどの症状がある場合には、他の病気のこともあるので病院を受診しましょう。