食べたいものならいつでも手に入るようになった現在では、消費しきれなかったエネルギーが過剰に蓄積され、昔に比べて肥満になる子供が増えています。
欧米型の食生活が増えたことと、スナック菓子やチョコレート、炭酸飲料などの嗜好品を摂取する機会が増え、ゲームやインターネットが普及したこともあり外遊びが減ってきたことが背景にあります。
子供の肥満は大人になってからの肥満にも繋がり、様々な生活習慣病を引き起こす危険性があるので、小さいうちから規則正しい食習慣を作っていくことが、将来そのような病気にかかるリスクを減らす最善の策といえるでしょう。それではどのような食生活をすれば様々な病気を防ぎ、健康的な生活を送れるのか、食事のポイントについて説明します。
1日に必要なエネルギー量ってどのくらい?
私たちの身体の中にある様々な臓器は、眠っている間にも活動をしています。
その休んでいる間でも消費されているエネルギーを基礎代謝といい、さらに日中に歩いたり食事をしたり、勉強をしたりと生活の中で消費されるエネルギーを加えたものが1日に必要なエネルギー量となります。
厚生労働省で策定されている「日本人の食事摂取基準 2015年版」に基づいて、幼少期から思春期までに必要なエネルギー量の目安を表にまとめましたのでご覧ください。
子供の1日の推定エネルギー必要量
推定エネルギー必要量(kcal/日) | ||
年齢(歳) | 男性 | 女性 |
1〜2 | 950 | 900 |
3〜5 | 1,300 | 1,250 |
6〜7 | 1,550 | 1,450 |
8〜9 | 1,850 | 1,700 |
10〜11 | 2,250 | 2,100 |
12〜14 | 2,600 | 2,400 |
15〜17 | 2,850 | 2,300 |
出典:厚生労働省|日本人の食事摂取基準2015年版を元にいしゃまち編集部が作成
食生活で一番大切なことは栄養バランスです。
3大栄養素と呼ばれる、エネルギーの元となる炭水化物・たんぱく質・脂質のバランスを意識し、エネルギー代謝をサポートするビタミンやミネラルが不足しないように幅広い種類の食品を摂取していくことが基本となります。
1日30品目を目標に、品数の多い食卓を心がけましょう。
肥満にならないための食生活のポイントとは

1.食事は抜かずに3食しっかり食べよう
1日の総摂取エネルギーは同じでも、回数を多くすることで1食あたりのエネルギー量は少なくなります。食事の回数を分けると空腹時間が短くなるため、脳が栄養が十分に足りていると認識することから、脂肪の合成量が少なくなります。
反対に、まとめ食いや欠食をすることで空腹の時間が多くなると、脂肪の合成が進んでしまうので、必ず1日3食食事をとることが大切です。
2.ゆっくり時間をかけて食事をしよう
胃の中に食べ物が入ってから脳の満腹中枢に信号が行くまでに約20分もかかります。口の中の食べ物をゆっくりと噛み、20分以上かけて食事をすることで食べすぎを防ぎ満足感を得やすくします。
家族で会話を楽しみながら食事をしたり、箸を休めながら時間をかけてゆっくりと食事をしたりすることが肥満防止に繋がります。
3.寝る3時間前までには食事を済ませよう
食べ物を食べてからすぐに寝てしまうと、消費できなかった余分なエネルギーは脂肪として蓄積されていきます。
夕食をしっかりととり、寝る3時間前になったら食べ物や甘いジュースなどカロリーのあるものを避けるようにしましょう。
4.間食は栄養のあるものを
空腹が長く続くと脳の働きが悪くなり、疲れやすくなったり日中の眠気の原因になったりします。
食事の量が足りなかったなと感じた時には噛みごたえのあるナッツ類やフルーツ、乳製品などビタミン・ミネラルが豊富なものを食べさせてあげてください。
まとめ
子供の頃の肥満は大人の肥満へ繋がりやすく、さらに生活習慣病などの原因となってしまいます。
小さい子供は自分で食事を管理することは難しいので、その分親がしっかりと管理し、見守っていくことがとても大切です。
子供の健康を守る私たちが食生活に関して正しい認識を持ち、子供が将来病気になるリスクを減らし、家族全員で健康的な生活を送れるように心がけましょう。