スポーツ中に突然太ももやふくらはぎに痛みが生じ、歩くこともままならない…。そんな症状に見舞われたら、肉離れを起こしている可能性があります。急に肉離れを起こしてしまったときの処置や治療法、予防について紹介します。
肉離れとは…
人が手足を動かそうと力を入れるとき、その部分の筋肉は伸びたり縮んだりします。筋肉に強い負荷がかかると、伸ばしている筋肉の一部が断裂してしまうことがあります。この状態を肉離れといい、スポーツ外傷の一つです。肉離れが起こると、その名の通り筋肉が離れたように感じたり、急に力が入らなくなったり、痛みを感じたりします。
肉離れはスポーツ中に起こりやすく、特に陸上競技やサッカーをプレーする人たちに多くみられます。また、長い間運動してこなかった人が、急に強度の高い運動を始めたときにも起こりえます。
肉離れが起こる要因は様々で、「準備運動が不足している」「体の柔軟性に欠ける」「フォームが正しくない」といったことが関係するとされています。発生する部位は競技によって異なりますが、よくみられるのは太ももやふくらはぎで、ふくらはぎが痛む場合には下腿三頭筋(かたいさんとうきん)、太ももの場合は裏側のハムストリングが部分断裂を起こしていることが多いです。
肉離れの治療方法は?
違和感を覚えたり、痛みを感じたりした箇所を押してみて痛み(圧痛)があれば、肉離れと診断がつきます。断裂が大きいと、肉離れをしている部位がへこんでいる場合もあります。また、MRI検査で診断することもあります。
肉離れを起こした直後は、スポーツ障害の応急処置として知られるRICE(ライス)処置を行うと、早く治療が出来たり、スポーツの復帰まで短期間で済んだりする場合があります。上記の図を参考に取り組んでみてください。
治療法は重症度によりますが、安静、痛み止めなどの湿布や塗り薬、飲み薬などが基本です。肉離れではなく、疲労骨折を起こしている場合があるので自己判断して病院に行かず、市販薬だけでの治療はしないようにしましょう。
運動を再開できるかどうかは、ストレッチしても痛みを感じないかどうか、怪我する前の感覚になっているかなどですが、必ず医師と相談しましょう。
肉離れを予防するには
肉離れを予防するには、しっかりストレッチなど準備運動をして、体を温めましょう。また、運動後も同じくストレッチなどで体をほぐすことも大切です。
日頃からスポーツに取り組む方であれば、左右バランスよく筋肉を鍛えたり、フォームを見直したりして、怪我をしない体づくりを意識しましょう。
まとめ
肉離れは、突然起きる怪我です。もし起きてしまったら、RICE処置を行うなどして、できる限り悪化させないようにして、整形外科を受診しましょう。また、運動前に準備運動をしっかり行うなどして、予防にも努めましょう。