妊娠した女性の体のなかでは、日々ドラスティックな変化が起こっています。なかでも妊娠初期は、赤ちゃんの内臓や脊椎、脳といった大切な部分がつくられるとても重要な時期。いち早く妊娠に気づけば、赤ちゃんのために健康な生活を心掛けることができます。「妊娠したかも!?」と思ったら、まずは以下の9項目をチェックしてみましょう。
妊娠の初期症状
1.少量の出血がある
妊娠した後の生理予定日辺りで、少量の出血がある場合があります。これは受精卵が着床する過程で起こるものです。生理よりも出血が少なく、2~3日から1週間続くこともあります。
2.熱っぽい、微熱が続く
通常、生理日から約2週間は体温が低めですが、妊娠をすると体温は高い状態に保たれます。基礎体温を付けていて、生理予定日を過ぎても高温期が続くようなら、妊娠の可能性が高いといえます。
3.眠い、だるい
睡眠時間が足りているのに眠くて仕方がなかったり、いつもと同じ生活をしているのにだるかったり。そんな場合は妊娠のサインかもしれません。
4.気分にムラがある
いつもよりイライラしたり気分にムラがあったりする、というのも妊娠の初期症状です。これは、ホルモンの影響で甲状腺の働きが活発になることが原因です。
5.乳房が張る、乳首に痛みを感じる
妊娠をすると、ホルモンのはたらきで乳房が母乳をつくる準備をします。そのため、乳房が張ったり、乳首に痛みを感じたりすることがあります。
6.おりものが変化する
妊娠するとおりものが透明か白っぽいものになり、通常より量が増えることがあります。また、膣内がアルカリ性になりやすいため、雑菌に対する抵抗力が弱くなり、カンジダ膣炎などにかかりやすくなります。
7.吐き気がある
妊娠による吐き気(つわり)は、人によりますが空腹時に起こりやすい特徴があります。朝起きたときに症状が出やすいため、英語ではMorning sicknessといいます。また、つわりとともに唾液の量が増える場合があります。
8.おしっこの量や回数が増える
妊娠によって腎臓がろ過する血液の量が増えるため、おしっこの量も増えます。また、大きくなりつつある子宮が膀胱を圧迫するため、ためられる尿の量が減り、トイレに行く回数が増えます。
9.下腹部が痛い
下腹部の痛みも妊娠初期にみられる症状です。大きくなった子宮が周りの臓器を圧迫したり、子宮を支える靭帯が引っ張られたりして、下腹部が痛くなることがあります。

症状の多くはホルモンの影響によるもの
妊娠の初期症状の多くはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つのホルモンの影響によるものです。これらのホルモンには妊娠を継続するために重要な役割があり、子宮を大きくしたり、母乳のための乳房を育てたりします。また、自律神経や感情の動き、体温の調節等にも関わっているため、体全体が大きな影響を受けるのです。
気になる症状があったら
当てはまる症状はありましたか?生理前や風邪の症状と似ているものもありますので、ひとつの目安として考えてください。
もし生理が遅れているようなら妊娠検査薬を使ってみましょう。多くの検査薬は月経開始予定日の約1週間後から使用することができます。検査で陽性が出たら、はやめの産婦人科受診をおすすめします。
まとめ
妊娠初期には吐き気やイライラなど、今まで経験したことのない不快な症状が出ることが多いので、不安も大きいと思います。でも、全ては赤ちゃんを育てるために体が大きく変化しているサイン。妊娠検査薬を使うなどして、自分のからだのサインを見逃さないように気をつけたいものです。