タンポンは生理用ナプキンに比べて使用頻度が低いですが、タンポンを使っている人の92.5%が「満足している」と回答したアンケート結果(ユニチャームより)もあり、長時間使えることやモレの心配が少ないなどのメリットが好評を集めています。ナプキンと比べて使い方にコツがいりますが、慣れれば生理期間を乗り切る強い味方になってくれます。ここでは、タンポンの使い方や注意点、特に危険なトキシックショック症候群についてお話ししたいと思います。

目次

タンポンの構造

タンポンはナプキンのように下着に装着するのではなく、膣内に挿入して使います。タンポンはアプリケーターと吸収体でできています。

アプリケーター

吸収体を膣内の正しい位置に導くための筒です。挿入用の太めの筒と、押し出し用の細めの筒の2つで構成されています。細い方の筒を太い筒に押し込むことで、吸収体が押し出されて出てくるという構造になっています。※アプリケーターのついていないフィンガータイプもあります。

吸収体

膣内に入り、経血を吸収する部分です。吸収体にはヒモが付いており、このヒモは膣から引っ張り出す時に使われます。もしヒモが取れてしまったら吸収体が取り出せないので、婦人科を受診して取ってもらいましょう

タンポンの使い方

装着時

  1. 必ずタンポンの装着前には手を清潔に洗うようにしましょう。ただし膣内は雑菌がすでにいる場所なので消毒までは必要ありません。
  2. タンポンのヒモが抜けたり切れたりしないか軽くひっぱって確認します。また、アプリケーターの先がつぶれたり割れたりしていないか確認しましょう。この時にアプリケーターの先端側(膣に入れる側)を手で触ってはいけません。
  3. タンポン挿入時の姿勢は、立った状態やトイレに座った状態で行うなど、自分のやりやすい姿勢で行いましょう。ショーツやボトムスはしっかり膝下まで降ろすと入れやすいです。
  4. アプリケーターの持ち手(太い筒の下側)を親指と中指でしっかり持ちます。反対の手で、膣口の周りを開いて、白い筒の丸い先端を膣口に当ててゆっくり挿入します。
  5. 挿入時は息を吐きながらリラックスして入れると入りやすいです。白い筒を持った指が膣口に当たるまで入れ、人差し指で透明な筒を押して吸収体を押し出します。透明な筒を押し切ると、吸収体が正しい位置に留置されます。
  6. ヒモを引っ張らないようにアプリケーターを膣から抜きます。ヒモは膣から出た状態でOKです。必ずアプリケーターにタンポンが残っていないか、膣からヒモが出ているかを確認します。
  7. 挿入後に違和感があれば、正しい位置に入っていない可能性があります。取り出して、新しいタンポンで再度チャレンジしてみましょう。

取り出す時

  1. 体の外に出ているヒモを引っ張ります。この時に息をフーッと吐きながら、斜め前に引き出すようにしましょう。この時、指にトイレットペーパーを巻いておくと手が汚れにくいです。
  2. 取り出したタンポンはトイレに流すと詰まる危険があるため、汚物入れに捨てるようにしましょう。捨てる際、トイレットペーパー等でタンポンをくるんでおくのがマナーです。

トキシックショック症候群(TSS)について

タンポン-写真

タンポン使用時に注意しないといけないのがトキシックショック症候群です。トキシックショック症候群は、黄色ブドウ球菌がつくる毒素が原因で起こる全身性の細菌中毒です。タンポン使用との関連性ははっきりとはわかっていませんが、タンポン使用時に手指を清潔にしなかったり、長時間タンポンを使用し続けたり、取り出し忘れたりすることによって黄色ブドウ球菌が増殖し、発症する可能性があるとされています。非常に稀な病気ですが、発症からの非常に短い時間で重篤な状態を引き起こし、最悪の場合死に至ります。早期に治療することで、ダメージは少なくすみますので、この病気の存在を知って、もし下記のような症状が出た場合はすぐに医療機関を受診するようにしましょう。もし、タンポンを入れたままの状態の場合はすぐに取り出しましょう。

トキシックショック症候群の症状

  • 急な発熱
  • 吐き気
  • 日焼けのような発疹
  • 失神や失神に近い状態
  • 筋肉痛
  • めまい
  • 意識の混濁
  • 下痢  など

トキシックショック症候群(TSS)を防ぐために

タンポンの取り扱いを適切に行えば、トキシックショック症候群の発症を防ぐことができます。タンポン使用時に注意すべきことを下記にまとめています。

  • タンポンの挿入・取り出す時には手を洗う
  • 一度に2つ以上タンポンを挿入しない
  • 産後8週間と、出産後初の生理の際にはタンポン使用は控える
  • タンポンの連続使用はしないで、生理用ナプキンと交互に使用する
  • 1回のタンポンの使用は8時間を超えないようにする(メーカーによって使用時間は異なる場合があるため、必ず説明書を読んで確認しましょう)
  • 就寝時の使用についても8時間を超える場合には使用はしない
  • おりものに異臭がする場合は使用禁止
  • アプリケーターやパッケージに破損がある場合は使用しない

まとめ

タンポンは使用に慣れることができれば快適な生理期間を過ごすことができ、アクティブにいつも通りの日常を過ごすことができます。使用方法を誤ってしまうと、トキシックショック症候群のような重篤な病気を引き起こす恐れもあるため、説明書を良く読み、タンポン使用時にしてはいけないことは絶対にしないように注意しましょう。また、非常にまれな疾患ですがトキシックショック症候群という病気や症状について知っておいてもらい、もしもの時にすぐに受診する必要があることを知っておくことは非常に重要です。トキシックショック症候群は発症すれば坂道を転がるように悪化していき、迅速な治療が必要になってきます。現在、タンポンを使用されている方は今一度、いつもの使用方法が間違っていないか確認してみましょう。