一般的には薬は水や白湯で飲んだ方が良いと言われています。しかしそれはどうしてなのか、はっきりとした理由までは知らないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、薬を飲むときに水や白湯以外の飲み物で飲むとどのような影響があるのかを解説し、特に気を付けておきたい飲み合わせについてご紹介いたします。

目次

飲み合わせとは?悪いとどんな影響があるの?

飲み薬は口から入り、胃や腸を通って全身を巡ります。食品と同じ経路で吸収されるため、食品と一緒にとると作用や吸収に何らかの支障が出る場合があります。主な影響は次の2つです。

1.薬の吸収が阻害される

カルシウムマグネシウムなどのミネラル成分や食物繊維は、薬にくっついてしまうため、上手に吸収されない場合があります。カルシウムの多い牛乳はこのような理由でNGとされています。

またフルーツジュースに含まれる成分も、から体へ薬を運ぶ時に邪魔をしてしまう場合があり、勧められてはいません。せっかく症状を良くするための薬も、吸収を阻害されたり体内を巡ることができなければ無意味になります。

やめるべき飲み合わせの例)

  • カルシウム・マグネシウム→抗菌薬(テトラサイクリン系、ニューキノロン系)、骨粗しょう症薬(ビスホスホネート系)
  • 食物繊維→心臓病薬(ジゴキシン)、抗菌薬(アモキシシリン)
  • フルーツジュース→抗アレルギー薬(フェキソフェナジン)、高血圧症薬(セリプロロール)

2.薬の吸収が良くなりすぎる

牛乳やヨーグルトなど、脂肪分の多い飲み物と一緒に摂ると、薬が脂肪分に溶けて吸収が良くなりすぎる場合があります。固形物では肉や魚なども要注意です。

薬は吸収が高いほど良いというわけではなく、適切な量が吸収された時に一番その効果を発揮するように作られています。薬の作用が強く出すぎると副作用が出ることがあるので注意しましょう。

やめるべき飲み合わせの例)

脂肪分の多い食品→睡眠薬(クアゼパム)、脂質異常症薬(プロブコール)

お茶やコーヒーの影響は?

お茶やコーヒーに含まれている有名な成分といえばカフェインですよね。このカフェインはテオフィリンというぜんそくの薬と相性が良くありません。肝臓にある2つの成分を代謝する酵素が同じであり、2つを同時に取ってしまうと処理が追いつかず肝臓をすり抜けてしまいます。

テオフィリン以外にも、カフェインが影響をもたらす薬は報告されています。基本的には余分な成分が含まれていない水や白湯で飲むようにし、どうしても気になる場合は医師や薬剤師に確認してみてくださいね。

他に気を付けたいことは?

1.サプリメントとの併用

サプリメントはあくまで食品なのですが、特定の成分が凝縮されているので、薬と併用すると副作用が出ることがあるかもしれません。

2.服用時間を守る

食後はゆっくり吸収され、食前は胃が空っぽのためすぐに吸収されて全身に回ります。薬を飲む時間は処方される時に説明されますが、理由があってのことなので必ず守りましょう。

3.必ずお薬手帳を提出しよう

薬は食品だけではなく、薬同士でも効果を増強させたり弱めてしまうものがあります。現在飲んでいる薬がある場合には必ず医師に伝え、薬局ではお薬手帳を提出しましょう。

まとめ

思い込みや自己判断で飲み合わせの悪い食品や他の薬と一緒に摂ってしまうと、危険な事態になりかねません。

薬を飲むときは必ず水か白湯で飲み、処方された時間や量を守りましょう。わからないことや不安なことがある場合には、医師や薬剤師に確認することで安心感にも繋がりますよ。