アタマジラミは普通の生活の中で発生して、誰の頭にでも住み着く虫です。不潔が原因で寄生するのではありません。アタマジラミは人の頭に寄生して頭皮から血を吸い生涯をすごします。もしアタマジラミに寄生されたら、周囲の人に感染させる前にご自分でしっかり駆除しましょう。今回は、アタマジラミの駆除についてご紹介します。
アタマジラミについて知る
卵
アタマジラミの成虫が、人の髪の生え際に卵を産みつけます。卵は、0.3~0.5ミリ程度で、白っぽく楕円形に見えます。生きた卵の多くは、頭皮から6ミリ以内の場所にあります。
幼虫
産みつけられた卵は、約7日で幼虫になります。幼虫になると、動き始め、頭皮の血を吸うようになります。虫眼鏡などで動いている様子がわかります。
成虫
幼虫は3~5回の脱皮を繰り返し、約10日で成虫になります。成虫は2~3ミリ程度で白っぽい灰色にみえ、吸血の後は血の色で黒っぽい灰色にみえます。成虫は1カ月程度頭皮で生存し、生涯で200~300個の卵を産みます。髪から離れると生きることができずに、7~72時間程度で死んでしまいます。
アタマジラミを駆除する

アタマジラミに寄生されると、血を吸われた箇所がかゆくなります。かゆみの程度は人によって異なりますが、頭皮をかきすぎると炎症を起こす場合があります。アタマジラミの卵の状態と幼虫、成虫の状態とでは駆除方法も若干異なります。アタマジラミの特性を理解してしっかり駆除しましょう。
アタマジラミ専用櫛で髪をとかす
髪の毛に産みつけられた卵は固着しているので、指でつまんだ程度では落ちません。アタマジラミ専用の目の細かい櫛で髪の毛をとかすことによって、卵を取りましょう。
櫛を使う前に洗髪をして、軽くタオルドライをします。卵は髪の生え際に産みつけられているので、髪の根もとや耳の後ろを重点的にくしでとかすようにしましょう。髪を小分けにブロックして、髪の根もとから毛先までしごくようにとかすと効果的です。髪をとかす度に櫛にアタマジラミが挟まっていないか確認をして、もしアタマジラミがいたら、いらなくなった歯ブラシなどでこすり落とします。
アタマジラミ専用薬剤で頭を洗う
アタマジラミの幼虫と成虫は、シャンプーで洗い流すことができます。普段使っているシャンプーではなく、アタマジラミ駆除のための薬剤(スミスリン)を使うと効果的です。
シャンプータイプ
シャンプーするように泡だてて、5分程度時間をおきます。3日に1度の頻度で使えば、3~4回でシラミを駆除することができます。目、鼻、口などに入らないように十分に気をつけましょう。
パウダータイプ
シャンプーをする前に、頭髪に振りかけて1時間程度おいて馴染ませます。使う頻度はシャンプータイプと同じです。パウダータイプは寝具などに散布してアタマジラミを駆除するのにも適しています。
アタマジラミの卵は約7日で孵化するので、卵からかえったアタマジラミを順々に退治して根絶することが重要なポイントとなります。薬剤を使うときは、説明書をよく読んでから使用しましょう。
いずれも、薬局・ドラッグストアにて自費で購入します。
頭髪が触れるものは毎日交換する
アタマジラミに感染している人が使ったタオル、寝具、衣服に一時的にアタマジラミが付いていることがあります。アタマジラミは人から離れても最長3日間生きることができるので、再び頭皮につくことがないように、頭髪が触れるものは毎日洗濯をするようにしましょう。
枕カバー、シーツは特にアタマジラミがついている可能性が高いので、毎日交換します。アタマジラミは60度以上で死滅し、乾燥に弱いので、シーツ類はアイロンをかけたり、布団は天日干しをすると駆除効果が高まります。
部屋の掃除をする
人の頭髪から床に落ちたアタマジラミが他の人の手や足を介して感染させることはほとんどないと考えられています。アタマジラミは毛の少ない皮膚には寄生できないからです。しかし、アタマジラミが落ちている部屋の掃除をして室内を清潔に保つという意味で、掃除機は毎日かけるようにしましょう。
まとめ
アタマジラミは完全に駆除しない限り、何回も産卵し、周りの人への感染の可能性も高まります。アタマジラミを発見したら、クシや薬剤を使ってしっかり駆除するようにしましょう。再感染を防ぐために、頭髪が触れるものを毎日交換することも大切です。
アタマジラミは、不衛生な頭髪環境から産まれるのではありません。アタマジラミを持っている人が周りにいても、髪の接触や身の周りのものの共用がなければ感染しないので、落ち着いて対応するようにしましょう。