「かゆみ」があると、やらない方がいいとはわかっていても、強く引っ掻いてしまうことがあります。毎日ちゃんと頭を洗っているはずなのに、改善されないしつこいかゆみに悩まされている方もいるのではないでしょうか。今回は、頭皮のかゆみの原因のひとつである「脂漏性皮膚炎」の症状と原因について解説します。

目次

そのかゆみ、もしかしたら脂漏性皮膚炎かも!?3つの症状

脂漏性皮膚炎とは、皮脂の分泌が特に多い顔のTゾーン、小鼻の脇、耳の周辺の皮膚や頭皮などにおこる炎症です。

皮脂は、常に皮膚から分泌されており、肌を細菌などの危険から守るという重要な役割を果たしています。しかし、皮脂の分泌量が多すぎると毛穴に皮脂が詰まってニキビができたり、皮脂に含まれている脂肪酸が酸化することで臭いを発したり(いわゆる加齢臭)と、様々なトラブルを招きます。

頭皮の脂漏性皮膚炎の場合、過剰に分泌された皮脂によって炎症を起こしてしまい、下記の3つの症状が主に見られます。

①地肌が赤くなる

過剰に分泌された皮脂が酸化し、それが刺激となって炎症を起こして地肌が赤くなります。

②フケがたくさん出る

頭皮の炎症により古い角質が剥がれ落ちてきます洗髪をしっかりしていてもフケがたくさん出るようになります。

③強いかゆみを伴う

①や②のように、地肌の炎症により皮膚が刺激され、強いかゆみを伴います。

 

この他にも脂漏性皮膚炎を招く要因として、最近ではマラセチアという真菌(カビ)が関与していることもわかっています。マラセチアは皮膚の常在菌で、普段から皮膚にいる菌です。何らかの原因でマラセチアが増えて、このマラセチアというカビが皮脂を分解することで、強いかゆみや炎症・フケを伴う脂漏性皮膚炎を発症するケースもあります

また、普段の生活にも脂漏性皮膚炎を招く原因が隠されています。次は脂漏性皮膚炎を招く3つの原因を紹介します。

脂漏性皮膚炎を招く3つの原因

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①脂っこい食事

脂っこい食事を多く摂り続けると皮脂の分泌量が多くなってしまい、脂漏性皮膚炎を招く原因となります。和食を中心とした油分の少ないヘルシーで健康的な食事をするよう心がけましょう。糖分の多い食事も、皮脂の分泌を増やすので気をつけましょう。

②ビタミンB群の不足

ビタミンB群(特にB2・B6)は皮膚の代謝を促進し、ダメージを受けた皮膚の回復に非常に役立ちますビタミンB2を多く含む食品(納豆やレバー)や、ビタミンB6を多く含む食品(大豆や野菜)を積極的に摂取する様にしましょう。

③シャンプーやリンスなどの洗い残し

シャンプーやリンスなどの洗浄剤が十分に流し切れていないと、汚れとして蓄積されます。それが慢性的な汚れとして頭皮に残った結果、皮脂と反応して炎症を招いてしまい、強いかゆみを伴います。しっかりシャンプーなどの洗浄剤が残らないよう、爪をたてずに丁寧にすすぎ、できる限り刺激性のないシャンプーを使用するなど心がけましょう。

 

他にも睡眠不足やストレス、疲労なども誘因となるといわれますので、生活改善に努めましょう。季節の変わり目に症状が出やすい方は、日頃のスキンケアも大切でしょう。

まとめ

頭皮だけに限らず、かゆみがあると非常に不快な気持ちになります。あまりにも長く強いかゆみが続く場合には、上記のような病気が疑われることがあります。原因や症状を把握し、脂漏性皮膚炎の予防に努めましょう。