頭がかゆい、シャンプーをしてもかゆみは治まらない、などの症状はありませんか。6、7月はアタマジラミが増える時期なので、幼稚園や小学校など特に子どもが集まる施設ではアタマジラミの集団発生が危ぶまれます。知識が曖昧だと、誤解から偏見が生まれることもあります。正しい知識をもってアタマジラミの発生を防ぎましょう。今回はアタマジラミを予防するための、4つのポイントをご紹介します。

目次

アタマジラミってなに?

アタマジラミとは、頭髪部に寄生して皮膚から吸血をするシラミのことです。不衛生や年齢・性別に関係なく、全ての人の頭に寄生します。卵を髪に固着するように産んで、幼虫、成虫と成長します。アタマジラミは人の身体から離れると7~72時間程度しか生きることができません。

アタマジラミが寄生しているときの症状は?

アタマジラミは人の頭に寄生して、頭皮から血を吸います。アタマジラミに吸血されるとかゆくなります。初めは自覚症状がなくても、寄生するアタマジラミの数が増えると次第にかゆみが増していきます。頭皮をかきすぎて細菌感染をするなど、炎症を起こすこともあります。

アタマジラミはうつるの?

アタマジラミが寄生している人の頭と接触したときに、他の人の頭へ移動します。また、アタマジラミがある人のブラシ、寝具、帽子、タオルなど身の周りの物を共有することによって他の人へ寄生することもあります。特に頭をくっつけて遊ぶ子供たちが集まる場所で集団発生することがあります。

アタマジラミの見つけ方は?

髪に付いている白い卵を探しましょう。幼虫や成虫は髪の毛を動き回るので、寄生している数が少ないと見つけにくいことがあります。

卵は耳の周りからえりあしにかけて多くついています。アタマジラミと間違えやすいのが、毛根部の皮膚がはがれおちたものや皮脂や整髪料の固まりです。これらは指でつまむと簡単に取り除くことができますが、アタマジラミの卵は髪に固着しているので、指でつまんでもなかなか取ることができません。また、幼虫は動くことが確認できます。

アタマジラミを予防するには?

女の子

アタマジラミについての正しい知識を持ち、4つのポイントをおさえて発生を防ぎましょう。寄生が分かったときに速やかに行動することによって被害が拡大しないようにします。

1.毎日洗髪する

幼虫や成虫は髪に固定していないので、シャンプーで洗い流すことができます。卵は髪に固着しているのでシャンプーでとることはできませんが、1週間くらいで幼虫になるので、洗髪すれば落とすことができます。

2.身の周りのものの共用を避ける

アタマジラミは人の頭や身の回りのものにくっついて、他の人の頭に寄生します。アタマジラミを寄せ付けないように、クシ、タオル、帽子、寝具など直接髪が接触するものを共用することはやめましょう。

3.衣類や寝具は定期的に洗濯をする

身の周りのものに万一アタマジラミがついていれば、洗い流すことが大切です。タオルや衣類などは続けて使わないようにして、毎日洗濯をして取り変えましょう。シーツ類など洗えるものは毎日洗って、アタマジラミを洗い流し、コート類など洗えないものは、使用した後にハケをかけて、アタマジラミを振り落とすと効果的です。

4.髪を短く切る

髪が短ければ、洗髪がしやすい・アタマジラミが見つけやすい、といったメリットがあります。ただし、嫌がるお子さんの髪を無理に短くする必要はありません。

人に寄生するシラミは他にいる?

日本で見られる人に寄生するシラミは、アタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミの三種類です。

コロモジラミ

アタマジラミと形態が似ていますが、頭髪ではなく衣類に寄生します。衣類や寝具を共有することで、寄生して、発疹チフス、塹壕熱や回帰熱などの病気を引き起こします。衣類や寝具の洗濯、入浴を普通に行い清潔にしていれば問題になることはないと考えられています。

ケジラミ

アタマジラミとは形態が異なりカニのような姿をして、主に陰毛に寄生します。子どもの頭髪やまつ毛にもまれに寄生することがあります。性行為や寝具を共有することで寄生します。激しいかゆみを伴い、簡単に他人へ感染するので、速やかに医療機関を受診しましょう。ケジラミが病気を媒介することはありません。

まとめ

アタマジラミは頭を不潔にしていることが原因ではなく、普通の生活の中で発生します。アタマジラミが血を吸った箇所はかゆくなり炎症を起こすこともあります。卵は髪に固着するので、指でつまんでも取り除きにくいことが特徴です。幼虫と成虫は毎日の洗髪によって洗い流すことができます。頭の接触を避け、髪の毛が触れる身の回りのものの共用を避けて、アタマジラミの予防に努めましょう。発生しても落ち着いて対応できるよう、知識を持つことが大切です。