白内障は目の病気の中でもよく耳にするポピュラーな病気ですが、知識のない人からすると「目が白く濁って見えなくなるの!?」と不安に思ってしまうかもしれません。白内障の原因やその症状などについてみていきましょう。

目次

白内障ってどんな病気?

私達の目には、カメラでいうレンズの役割をしている角膜と水晶体というものがあります。ものを見るときはこの角膜と水晶体で光を屈折させ、網膜にピントを合わせてものを見ているのです。

この水晶体が白く濁ってきてしまうのが白内障で、ものを見るとき大切なこのレンズが白く濁っているため、かすんで見にくくなるというものです。

白内障は、生まれつき水晶体が濁っている先天性白内障と何らかの原因によって水晶体が濁ってくる後天性白内障の2つに分けられます。

ぼやけて見にくい!白内障の原因は?

ぼやけて見える

先天性白内障の場合は生まれつき白内障になっていますが、後天性白内障の場合は何らかの原因があります。この白内障の原因、つまり水晶体が白く濁ってしまう原因のほとんどは加齢です。

年をとると、誰もが白髪になりますよね。白髪は髪の老化ですが、これと同じで、加齢による目の変化が白内障なのです。つまり白内障は特に珍しい病気ではなく、年をとると誰でもなる病気なのです。

しかし、白内障の原因は実は加齢だけではありません。白内障は原因によって、以下のような種類に分けられます。

老人性白内障

白内障の代表格がこの老人性白内障です。加齢性白内障とも呼ばれます。

名前の通り、目の老化によって水晶体の中に含まれているタンパク質が変性し白く濁ってしまうのです。

外傷性白内障

目の外傷など外からの刺激が原因となって起こるのが外傷性白内障です。怪我などの外傷だけではなく、紫外線放射線などの電磁波で白内障が起こることもあります。

長い年月の曝露(外にさらされること)により徐々に濁りが進行していき、それに伴い視力もだんだん低下していきます。

アトピー性白内障

アトピー性皮膚炎が原因となっているのが、アトピー性白内障です。アトピー性皮膚炎はかゆみを伴うものなので、目の周りにアトピー性皮膚炎があるとついこすってしまったり、叩いてしまったりします。この刺激が原因となって白内障を引き起こすもので、比較的若い年齢で発症する人が多いです。

また、水晶体や網膜は発生学的に皮膚と同じ外胚葉(がいはいよう)と呼ばれる組織からできているため、アトピー性皮膚炎のある人はもともと水晶体や網膜も弱いと考えられます。

ステロイド白内障

抗炎症薬として知られているステロイド(副腎皮質ホルモン)はアトピー性皮膚炎などでもよく使用される薬ですが、このステロイドの長期間使用が原因で白内障になってしまうことがあります。これをステロイド白内障と呼んでいます。

ステロイドはその効果が高いことから副作用を心配する人もいますが、医師の指示に従って正しく使えば安心なお薬です。

その他、網膜剥離やぶどう膜炎など目の病気に伴って白内障になる併発白内障や、糖尿病が原因の糖尿病性白内障などもあります。

白内障の症状

ぼやけて見える女性

髪の老化の白髪は目で見てわかりますが、白内障の場合は目の中のことなので、よほど進まない限り外見ではわかりません。では、白内障になるとどのような症状が現れるのでしょうか?

白内障の自覚症状には次のようものがあります。

  • ぼやけて見える
  • 日差しや対向車のライトなどがまぶしく感じる
  • 二重にものが重なって見える
  • 近くが見やすくなった
  • 眼鏡をかけても視力が出ない

かすむ・ぼやけるというのは白内障の代表的な症状ですが、まぶしさやダブって見えることもあります。また白内障のため一時的に目の度数が近視化する場合もあります。そうなると近くが以前よりも見えやすくなってきます。

このように、白内障の症状は見にくさだけではないということを覚えておきましょう。

祖母と孫

まとめ

白内障と聞くと高齢者の病気だと捉える人も多いと思いますが、上記のようにその原因は加齢だけではなく、目の病気や薬剤・全身性の病気など実にさまざまです。それだけ白内障は私たちにとって身近な病気なのです。

将来白内障になった時に慌てないよう、白内障に対する正しい知識を持っておきましょう。白内障の治療については「手術をすると良くなるの?白内障の治療法とは」をご覧ください。