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数ある食中毒の中でも特に有名なのがノロウイルスです。

ノロウイルスの潜伏期間は24〜48時間であり、発症すると激しい下痢や嘔吐に襲われます。幼児や高齢者が感染してしまうと重症化して死亡してしまうこともある怖い食中毒です。

感染しないように予防することはもちろんですが、もしノロウイルスに感染してしまった場合にはどんな食事をとればよいのでしょうか。

ノロウイルスについて

ノロウイルス

原因

ノロウイルスに感染する原因の食品としては、生牡蠣が多いと言われています。

他の2枚貝でも感染する可能性は十分ありますが、アサリやしじみなど加熱調理されてから食べるものが多く、生で食べる機会の多い牡蠣が原因として多くなってしまう傾向にあります。

ノロウイルスは加熱することで死滅するので、食品を85〜90℃で90秒以上加熱することで食中毒を起こすリスクを減らすことができます。

しかし貝類を食べなくても感染する場合もあり、学校や病院などで起こる集団感染はこの二次感染によるものが多いです。

それは調理従事者の汚染された手や調理器具などによるもので、2枚貝を触った手で生食する野菜に触れるだけでも感染が起こることがあります。

症状

ノロウイルスの潜伏期間は24 〜48時間と比較的長めです。

激しい腹痛や下痢、嘔吐などがみられます。

感染者の嘔吐物からの飛沫感染や空気感染も起こるので、正しい方法で処理を行う必要があります。

感染してしまった場合の食事について

おかゆ

ノロウイルスに感染してしまうと腹痛とともに激しい下痢や嘔吐の症状がみられます。

下痢や嘔吐により体内の水分が失われ脱水状態になりやすいことと、栄養素が吸収されずに排出されてしまったり食欲が低下することから低栄養状態になってしまう場合もあります。

ノロウイルスの症状が出ている場合は胃や腸などの消化器官が炎症を起こしています。ですから、できるだけ体に負担をかけない消化の良い食事をとり栄養状態を良くすることで、ノロウイルスからの回復を早めることが期待できます。

下痢嘔吐が酷い初期症状の時は基本的には絶食とし、水分補給やペースト状の食べ物からお粥などへと段階を上げて徐々に食べ物に慣らしていきます。

固形物を食べられるようになったら以下のポイントに気をつけて食事をしてみましょう。

食事のポイントについて以下にまとめていきます。

脂質の多い食事を避けましょう

三大栄養素とよばれる炭水化物・たんぱく質・脂質の中で胃内滞留時間が一番長い、つまり消化が良くないといわれているのが脂質です。

揚げ物や炒め物を避け、煮物や蒸し料理など、油を使用しない調理法をとり入れましょう。

温かい料理を食べて体を温めましょう

食事をとれない状態が長く続いて熱を産生できなくなると、抵抗力が落ち、他の病気にかかりやすくなります。

体を温めることで免疫力などの体の機能を回復し、ノロウイルス感染からの回復を早めます。

消化の良いうどんやお粥、具沢山のスープなどがオススメです。

たんぱく質をしっかりと食べましょう

肉や魚、豆腐、卵などのたんぱく質は胃の粘膜を保護してくれる働きがあります。

ただし脂が多い肉は消化が良くないので、鶏のささみや胸肉などの脂身が少ない部分を選ぶと良いでしょう。

水溶性食物繊維をとりましょう。

食物繊維には2種類あり、不溶性と水溶性で分かれています。

下痢の改善には水溶性食物繊維が有効で、便中の余分な水分を吸収し便の状態を整えてくれます。

水溶性食物繊維はワカメや里芋、山芋、納豆などのネバネバしたものや、果物に多く含まれています。

まとめ

下痢や嘔吐がひどい時には絶食から始めてお粥を開始し、徐々に固形物に段階を上げていきます。少しの間体を休めて少しでも食べれそうだなと感じたら上記のポイントを参考にし、様子を見ながら食事を摂取してみましょう。

また、脱水状態になることも深刻な問題ですので、市販のイオン飲料などを上手に活用して水分補給をしましょう。
特に水分の多い乳幼児は脱水状態になりやすいので、周りの家族が気がついてあげることが大切です。