きゅうりの成分はほとんどが水分でできており、栄養素はほんの少ししか含まれていないため、「世界一栄養のない野菜」としてギネスブックにも掲載されています。しかし、きゅうりは家庭で使用されることも多く、夏野菜の代表格として私たちの生活には欠かせないものとなっています。それでは、栄養のないきゅうりがなぜ重宝されているのか、その秘密を見ていきましょう。

目次

きゅうりってどんな野菜?

きゅうりはウリ科に分類され、未熟な果実を食用にしたものです。世界各地で栽培されており様々な種類があります。ほとんどが水分でできているため栄養価は低い野菜ですが、歯ざわりや香り、鮮やかな皮の緑色などが食欲を増進させてくれます。

きゅうり1本(100g)の食品成分

エネルギー 14kcal
たんぱく質 1.0g
炭水化物 3.0g
カリウム 200mg
カルシウム 26mg
リン 36mg
βカロテン 330μg
ビタミンK 34μg
ビタミンB6 0.05mg
ビタミンC 14mg
食物繊維 1.1g

きゅうりの成分のほとんどは水分となっており、各栄養素の含有量はほんのわずかですが、ビタミンやミネラル類は幅広く含まれています。

体を冷やす夏野菜、暑い時期の水分補給に最適!

95%以上の水分

暑い地域で収穫される野菜には体を冷やす効果が、寒い地域で収穫される野菜には体を温める効果があるといわれています。きゅうりの原産国はインドとなっており、暑い地域で収穫される作物で、95%以上の水分を含むことからも、昔から水分補給体を冷やしてくれる食物としてとり入れられてきました。屋台や露店で見られる「冷やしきゅうり」もこのような特徴を上手に活用した料理の一つといえます。

利尿作用のあるカリウム

きゅうり1本に含まれるカリウムの量は200mgで、1日に必要な量の約10%を摂ることができます。カリウムは利尿作用があるため、二日酔いの解消に効果がある他、ナトリウムの排出を促してくれるので、高血圧の予防にも効果的です。

青臭さのもとピラジン

きゅうりの香り成分であるピラジン血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化予防、心疾患・脳血管疾患の予防に役立ちます。

オススメのとり入れ方

きゅうり-写真

きゅうりは生で食べると体を冷やしたりむくみを取ってくれる効果があり、特徴を一番活かすには最適の食べ方といえます。しかし、きゅうりにはアスコルビナーゼという酵素が含まれており、他のビタミンCを含む野菜と一緒にジュースにするとビタミンCを破壊する原因となってしまいます。この酵素はによって活性を抑えられることから、生で食べる時には酢を使用することをオススメします。

また、ぬか漬けにするとぬかに含まれるビタミンB1やビタミンB2を一緒に摂ることも可能になりますが、塩分が多く含まれているため摂りすぎには注意をしましょう。

下ごしらえをするときは、塩を振ってまな板の上で転がす「板ずり」を行うと苦みを除去することができ、色味も鮮やかになります。

まとめ

きゅうりは栄養がほとんど含まれていない野菜ですが、たっぷりと含まれる水分が体を冷やしカリウムはむくみの改善に役立ちます。また、低カロリーであることからたっぷり食べても肥満に繋がることはないので、ダイエットにも適した食材といえるでしょう。これからますますきゅうりが美味しくなる季節です。きゅうりを食べて暑い夏も元気に過ごしましょう。