私たちの体は60%が水分でできており、喉が渇いたと感じた時にはすでに水分不足となっています。

体の機能を正常に保ち、生命を維持するためにも人にとって水分は欠かせないものです。特に夏の季節は汗をかきやすく、熱中症にも気を付ける必要があります。また、正しい水分補給は脳梗塞心筋梗塞の予防にもつながります。今回は、暑い夏を健やかに過ごすための、正しい水分補給の方法について説明します。

目次

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水分の役割

私達の体の中で水分はどのような働きをしているのでしょうか。

(1)運搬機能

水分は2/3が細胞の中1/3が細胞の外に存在しています。

細胞の外にある水分は血液やリンパ液のことで、栄養分を運んだり老廃物を体の外に排出するという重要な役割を担っています。

(2)体温調節機能

体温が高くなると汗をかきます。

汗をかくことで熱を放散し、体温が上がり過ぎるのを防いでいます。

(3)浸透圧の調節

ナトリウムカリウムのミネラルによって体の中の水分量を調節し、体内の浸透圧を一定に保っています。

この水分と塩分の調整により、細胞内に水分が出入りすることで、血管内の水分量も増減します。これによって血圧が上がったり下がったりするので、体内の水分量と血圧には深い関係があるといえます。

水分が不足するとどうなる?

成人では体の約60%が水でできています。例えば70kgの男性であればそのうちの42kgもの体の大部分は水分だということになります。

汗をかいて体液量が減り、水分が少なくなると体内の熱を放散できなくなります。

実は、水分が1%失われるだけでもすでに水分不足に陥っている状態となっており、運動能力が低下しています。2%失われると喉の渇きを感じるようになり、4~5%失われるとめまいや疲労感、頭痛などの脱水症状が現れます。体の水分が10%失われてしまうと、最悪死に至る場合もあるのです。

正しい水分補給の方法

夏の水分補給

水を飲んでいるのに水分不足になる理由

体の中の水分は、塩分と密接に関係しています。

体内の塩分濃度は一定に保たれており、体の機能を調整し生命が維持されています。そして、運動をしたときや暑くて大量に汗をかいたときには、水分だけではなく塩分も失います。

水分の補給として水だけを飲むと、体内の塩分濃度が薄まってしまいます。すると塩分濃度を維持しようと今度は水が排出されてしまうため、かえって水分不足になってしまうのです。

オススメの飲み物は?

このような理由から、大量に汗をかいたときには水分だけではなく塩分の補給も必要となります。

スポーツドリンクにはミネラルが含まれているため、水に比べて水分の吸収率が高くなっています。しかし、飲みやすくするために糖分が含まれているので、カロリーの摂りすぎになってしまう場合があるため注意が必要です。最近は改良が進んでいるので、糖分とミネラルのバランスが考慮されていたり、低カロリーのものが発売されるようになってきていますので、カロリーが気になる方はそちらを選ぶようにしましょう。

あるいは、水に塩を一つまみ加えたもの(汗と同じくらいの濃度です)を飲むと良いでしょう。

運動中は必ずこまめな水分補給を!

一昔前には、「運動中は水を飲んではいけない」という誤った情報が流れていたこともありましたが、運動中は、身体は体温の上昇を抑えようとして汗をかきます。水分不足の状態では汗をかくことができず、体温が上がったままになってしまうため、熱中症をはじめ様々なトラブルが起こってしまいます。運動の前後や運動中には、こまめな水分補給を怠らないようにしてください。

まとめ

以上、夏の正しい水分補給の方法について説明しました。

夏は寝ているだけでも汗をかき、気付かないうちに脱水になっていることがあります。日差しが強く、熱中症にもなりやすい季節です。

ミネラルとのバランスを意識しながら、喉が渇いたと感じる前に水分を摂れるように心掛けましょう。