歯は顔の一部分としてとても重要なパーツです。健康的で清潔感のある笑顔の方は歯がとても綺麗で自然な形、歯並び、そして肌と調和した白い歯の持ち主であることが多いです。お子様の歯の色から、お友達とのおしゃべりがとても大切なご諸兄までご気になることでありますね。

現在歯を白くする方法としては、ホワイトニングという歯自体の漂白法やセラミックスなどで歯を覆う審美歯科法などがございます。そこで今回は、歯の着色・変色についてお伝えできればと思います。

目次

 

歯の着色の原因は!?

着色とは色が付くことですので歯の表面から色が付くこととします。

この直接の原因としましては、色素の濃い食べ物やお口に含むものとなります。一般的には赤ワインやカレー、お茶、紅茶、コーヒーなどです。

生えたての永久歯を幼若永久歯といいますが、この時期の永久歯は凹凸が深く窪みに色素が残りやすい形態です。この着色は歯ブラシなどで研磨できます。歯を経年的に使い込むことで、歯は少しずつ削れて平滑になっていきますが細かいひび割れが歯の表層のエナメル質に現れます。それらの隙間に入り込んだ色素は歯の着色の原因であり、なかなか磨くだけでは取れないものとなっていきます。

特に厚さおよそ1ミリのエナメル質がすり減り、歯の表層から第2層の象牙質まで隙間が一部達した状態では、エナメル質と象牙質の間に色素が入り込み、大きな着色の原因となります

象牙質自体エナメル質よりも黄色身が強い色のものなので、エナメル質が薄くなり透けるようになると歯の色に象牙質の色が反映し黄色くなってきます。

喫煙者の歯が茶色いのは煙草の中のタールなどの成分が歯表面に沈着してしまうからです。大きな粒子の研磨剤などを含む歯磨き粉などで着色を取ることは可能ですが、歯の表面も削れてしまうという欠点もあります。

歯の変色の原因は!?

変色は歯自体が色変化することとしましょう。

幼少期に永久歯は身体の中で育ちます。その時期に飲む薬によって歯が変色することが知られています。テトラサイクリンという抗生物質の影響で歯の色が茶褐色になることがあります。フッ素の大量摂取による斑状歯という白い斑点が見られる歯もあります。

褐色に変色した永久歯は歯医者25年の私では割と多く拝見させていただきました。育児中の親御様方はとても気になるところですね。年齢と飲み薬には注意していただけるといいでしょう。

また、本来の歯には歯髄という脈管組織があり、その中の血管には血流があります。しかし、虫歯などの原因によりその歯髄が死んでしまうことや、歯科治療により歯髄(よく歯の神経などといいますね)を取ってしまうと歯の中の血流が失われます。

これらは歯質に栄養などを運ぶものですので、失われた歯は失活します。栄養供給などの生活元を失った歯は徐々に黄色⇒茶色へと変色していきます。白い歯でいるためには歯髄を取ってはいけないのです。

テレビで片方の色が極端に黒く前突した門歯を見せている女性芸人さんがいらっしゃいますが、あの方の前歯はおそらくこのことが原因です。

歯の着色変色を防ぐためのセルフケア

歯磨き粉

これらのケアとしては、お茶類やポリフェノールを含んだチョコレートや赤ワイン、コーヒー、煙草を用いない、ということになってしまいます。しかしこれらの多くは私たちの生活を豊かにもしてくれる嗜好品です。適度には摂取してもいいものですね(煙草はお勧めいたしませんが)。

そこでご自身のセルフケアとしてハミガキで着色を浮かびあがらせ除去を効果的に助ける以下の歯磨き剤をお勧めしておきます。

ポリリン酸ナトリウムという成分を含む歯磨き剤は直接汚れを落とします。ラウロイルグルタミン酸ナトリウムという成分を含む歯磨き剤は着色の付着を予防することができます。

また、年に数回は歯科でのプロフェショナルな歯のクリーニングをお受けいただけるとよろしいでしょう。

最後に

歯の一本や数本に限らず周りと調和しない色はやはり違和感の基です。必要であれば歯科に相談し、改善なさるとよろしいかと存じます。もの凄く真っ白い歯の方もいらっしゃりそれも可能な時代ではありますが、歯には個性や教養なども反映していると思います。

自分らしいお口元、是非大切になさってくださいませ。