大人の場合は自分の症状をしっかりと伝えることができますが、子供の場合は年齢によっては自分の症状を大人に伝えることがうまくできないことがあります。子供の目に霰粒腫ができてしまった場合の対処法や治療法をみていきましょう。

目次

霰粒腫の治療法

まぶたに霰粒腫ができてしまった場合、大人でも子供でも治療の流れ自体は同じです。

細菌感染を起こして腫れや痛みがあるときは、点眼薬や内服薬で炎症を抑える治療を行います。症状がひどい場合、「早く切ってほしい!」と思う人もいるかもしれませんが、炎症が強いときは麻酔も効きにくく治りも遅いので、まずは炎症を抑える方が先決です。

急性の炎症がおさまると、グリグリとしたしこりだけが残ることもよくあります。痛みや腫れはなくしこりと異物感だけが残っているという場合は、点眼薬を使うなどしながら様子を見ます。しこりがそのまま残っていても、目の機能的には全く問題はありません。

しこりを取り除きたい場合

手術衣で腕組みをしている男性-写真
しこりも時間の経過とともに自然に吸収されて少しずつ小さくなっていき、気付いたらいつの間にかなくなっていたということも少なくありません。しかし、しこりが気になるようであれば手術でしこりを取り除きます。

注射で麻酔を行う場合、多少の痛みを伴うこともあります。不安であれば予め医師に相談しておくとよいでしょう。

手術中はじっとしているということが大前提になるので、子供の場合はそれが難しいことがあります。注射なども危険が伴うため、積極的には霰粒腫の手術をおこなわない場合も多いです。

しこりのまま放っておいても特に問題はないため、お子さんに霰粒腫ができてもまずは慌てず、眼科医と相談しながら治療法を決めていくとよいでしょう。

霰粒腫摘出術

しこりを完全になくすためには霰粒腫摘出術を行う必要があります。

霰粒腫摘出術は、点眼麻酔とまぶたに麻酔の注射をした上で、まぶたの裏もしくは皮膚側から切開をおこないます。時間的には5分~15ぐらいで終わります。

切開となると傷跡が気になるかと思いますが、まぶたの裏側から行う場合、傷跡の心配はいりません。また皮膚側から切開したとしても傷跡はほとんど残らないので神経質になる必要はないでしょう。

霰粒腫の予防と対策

霰粒腫はマイボーム腺が詰まってしまうことが原因ですので、早期の段階であれば温罨法(おんあんぽう)が有効です。湯船につかったりホットタオルを使ったりしてまぶたを温めてあげましょう。また、刺激の少ないベビーシャンプーなどでまぶたの縁を洗うことも有効です。これらを行う際は、目を強く押さえすぎることがないように気をつけてください。

また、霰粒腫があるときにコンタクトレンズをするとレンズが汚れやすくなったり、汚れにより症状をさらに悪化させてしまったりする場合もあります。霰粒腫が治り炎症がおさまるまでは、コンタクトレンズの使用は控えることをおすすめします。

まとめ

霰粒腫は、痛みなどの症状がない場合は経過観察を行います。

しかし、細菌感染を起こしてしまうと痛みが伴ったり、しこりが残ることで目に違和感・異物感が残ったりすることもあります。気になる症状がある場合には、しっかりと治療を受けたほうが治りも早いので、眼科を受診するようにしましょう。