食事中にガリッ!といって突然詰め物やかぶせ物が取れてしまった経験のある方、結構多いのではないかと思います。
「取れちゃった…でもまあくっつけ直してもらえばいいや」と普通は思いますね。ところが、そのままくっつけ直しができるのはほんのわずかなケースで、たいていは内部に何かの原因があることがほとんどです。ここではおもに金属の詰め物やかぶせ物が取れた時の様々な原因について解説します。
詰め物かぶせ物がとれた場合の原因
金属の詰め物・かぶせ物が取れてしまった場合、次のような原因が考えられます。
1.セメントの劣化
純粋に、セメント(接着剤)が古くなって取れてしまったケースです。この場合にはつけ直しをすることができます。
2.虫歯
よくあるのが、虫歯が詰め物・かぶせ物の下に出来ている場合です。
3.歯が割れた
歯の頭の部分が割れている場合と、根っこが割れている場合があります。さし歯の場合はさし歯の土台の部分が根の先端方向に向かってくさびの働きをして、根が垂直に割れているケースもよく見られます。
4.かみ合わせの変化
かみ合わせは毎日噛んでいるうちに様々な要因で変化してくるもので、以前は合っていても次第に強く当たるようになってくることがあります。
5.歯ぎしり食いしばり
歯ぎしりや食いしばりなどの強い力が頻繁にかかることによって外れやすくなります。
詰め物が取れたけど痛くないし放っておいても大丈夫?

詰め物・かぶせ物が取れて放っておいた場合、以下のようなことが起こります。
1.虫歯が進む
詰め物・かぶせ物が入っていた内部は象牙質という弱い層ですので、外部にさらされていると非常に虫歯にかかりやすくなります。
2.両隣、向かいの歯がずれてくる
詰め物・かぶせ物が外れたことにより出来た隙間が隣や向かいの歯がずれてくることによって詰まってしまいます。たった一日でも歯は結構動くものです。周囲の歯が動くことによってかみ合わせも変わってしまいます。
3.歯が割れる
もともと虫歯があったりして歯の質が弱っていることが多いということと、残っている歯の部分が凸凹していて欠けやすい形態になっていることによります。
4.物が詰まる
取れた部分の歯と歯の隙間に物が詰まりやすくなります。またそれによって歯ぐきが炎症を起こすようになり、痛んだり腫れたりすることもあります。
5.口臭の元になる
物が詰まった場合や、さし歯が取れた場合など穴が深い部分に食べカスが溜まったりすると臭いの元になります。
6.舌を傷つける
外れたところが気になって無意識に残った歯の部分を舌で触ることなどにより、角の部分などで舌を傷つけやすくなります。
同じ所がしょっちゅう外れる場合ってなんなの?

つけ直してもつけ直してもしょっちゅう同じ所が外れてくる場合、次のことが考えられます。
かみ合わせが高い
かみ合わせでどこか強く当たって、外すような力がかかっている場合です。
金属の引っかかりが十分でない
詰め物やかぶせ物は接着力だけでついているのではなく、外れにくいような引っかかりをつけるような形に作られています。それが足りない場合には外れやすくなります。
日常的に強い歯ぎしりや食いしばりがある
歯を食いしばった時には自分の体重くらいの力がかかると言われています。それだけの力が日常的にかかっていると当然外れやすくなります。
まとめ
詰め物・かぶせ物などが外れる時は何らかの問題が隠れていることがほとんどです。そのままつけ直しが出来る場合、またはかみ合わせを修正してつけ直し出来る場合はラッキーなケースだと言えるでしょう。
しかし、外れたことによって虫歯が見つかる場合も見方を変えるとラッキーと言えるかもしれません。なぜなら、金属が入っている場合、場所によってはレントゲンでも虫歯が出来ていることが分からずそのままになってしまい虫歯が進行していくケースもあるからです。とにかく詰め物やかぶせ物が外れた場合は早めに歯科を受診しましょう。