歯の着色・変色にはさまざまな原因があります。
では、着色・変色してしまった歯の治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは、歯科医院による歯の色をもとにもどすための治療方法についてご説明します。
日常生活での歯の着色を予防する方法は「歯の黄ばみの意外な原因とは?白さを保つ習慣4つ」の記事をご覧ください。

目次

歯の色には個人差がある

前提として、もともとの歯の色合いにも個人差があります。
さらに、日本人の健康な歯の色は真っ白ではなく少しクリーム色がかっていることが多いと言われています。日本人は歯の一番外側のエナメル質が比較的薄く、象牙質の色が透けて見えるためです。

よって、歯の色は必ずしも「真っ白でなくてはいけない」ということはありません。
その上で、以前よりも黄ばんできた気がする、色が気になるような場合には、生活習慣を改善したり歯科医院で治療を受けたりすることが望まれます。

歯を白くする治療法

PMTC…食品・タバコによる着色に

PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で、歯科医院で行う歯のクリーニングのことです。
このクリーニングによって、歯垢、歯石、食品や嗜好品による歯の着色(ステイン)を取り除くことができます。

具体的には、専用の器具とフッ素の含まれた特殊なペーストを使って、通常自分で取ることの難しい歯の細部まで丁寧に磨いていきます。

PMTCには他にも歯の健康を守る、下記のような効果があります。

  • 初期虫歯の再石灰化をうながす(虫歯を進行しにくくする)
  • 歯周病の予防・改善
  • 口臭予防
  • 歯の表面がつるつるになることにより、歯垢、着色がつきにくくなる

ホワイトニング加齢による変色に

歯の着色を取り除いても満足がいかない場合、薬液を使って歯を白くするホワイトニングという治療法があります。

大別して歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、自宅でできるホームホワイトニングがあります。これらは神経が生きている歯、死んでいる歯どちらでも行うことができますが、神経が死んでいる歯で大きく変色している場合には向きません。

オフィスホワイトニング

高濃度の薬液を歯の表面に塗って漂白します。
短期間で効果が現れ、一本単位で行うことができる利点があります。

ホームホワイトニング

低濃度の薬液を自分の歯の形に合ったマウスピースの中に流し込み、毎日30分から2時間程度自宅で装着することで効果を発揮します。ゆっくりとじわじわ効果を表し、満足がいく結果がでるまで2週間~1カ月程度かかります。

ウォーキングブリーチ…神経を取ってしまった歯に

これもホワイトニングの一種と言えますが、この方法は歯の神経が既にない歯の変色に対して行われます。

歯の裏に穴を開け(もともと神経を取る際に穴があいているのが通常ですが)、そこに薬液を入れて蓋をし、一週間に一度交換しそれを数回繰り返す、というものです。

ただ、この方法は歯の中に入れた薬液がガスを発生することにより歯の内圧が高まってしまい、歯が痛くなることがあるということと、保険適用から除外されたことにより最近はだんだん行われない傾向になってきています。

ラミネートべニアやセラミックをかぶせる方法…薬剤や外傷などによる変色に

ホワイトニングで満足のいく結果が出ない場合、また、生まれつきの変色や薬剤による変色など歯の構造自体に問題がある場合や重度の変色に対して行われます。

ラミネートべニア

歯の表層をごくわずか削って、そこに希望の歯の色の薄いシェルを貼り付けて色を改善することができます。

セラミックをかぶせる方法

歯の形態にも問題があるような場合は、形態・色ともに改善できるセラミックが適応となります。

まとめ

皮膚の色、髪の色が人それぞれであるように、正常な歯の色にも幅があります。
近年は画像処理技術が発達し、雑誌のモデルなどの歯は白っぽく画像処理されていることも多く、あたかもそれが理想的な歯の色であるかのような錯覚に陥りがちです。

そのような影響もあり、客観的に見て必要性を全く感じないケースでもホワイトニングを希望する人が増えている傾向があるようです。

気になる方は、まずは歯科医院でよく相談してみましょう。