糖尿病または血糖値が高いと診断されたらまずは食事改善から始めます。

大切なのは血糖値のコントロール。血糖値を急激に上げない、上がった状態を長く続けないというのが重要なポイントになります。誰でもできる簡単なコツをご紹介します。

目次

 

まず自分に必要なエネルギーを知ろう

1日に食べる量はお医者さんからの指示を受けますが、目安としては次の通りです。

①標準体重を求めます。

身長(  )m×身長(  )m×22=(    )kg

②標準体重に身体活動量をかけます。

身体活動量

仕事がデスクワーク中心の人や主婦・・・25~30kcal/kg

接客業など立ち仕事の多い人・・・30~35kcal/kg

力仕事の多い人・・・35~40kcal/kg

例)身長が175cm、デスクワークの職の男性の場合

1.75×1.75×22=67kg

67kg×25(kcal/kg)=1675kcal

この下2ケタを切り捨てた数字が1日の適正エネルギーとなります。

例の場合は1600kcal。これを3で割れば1食分のエネルギーが分かります。

自分の1食分の主食の量を覚えよう

米

まずは血糖値の上昇に深く関わる主食の量を覚えます。

適正エネルギー別1食分の主食の量

~1200kcal:1食分の主食160kcal・・・ご飯100g パン6枚切り1枚(60g)

1300~1400kcal:1食分の主食200kcal・・・ご飯125g パン6枚切り1枚と1/4枚(75g)

1500~1700kcal:1食分の主食240kcal・・・ご飯150g パン6枚切り1枚と1/2枚(90g)

1800kcal~:1食分の主食320kcal・・・ご飯200g パン6枚切り2枚(120g)

『糖尿病食事療法のための食品交換表』第6版(日本糖尿病協会・文光堂)より

ご飯やパンは糖質と呼ばれ、摂取すると血糖値にダイレクトに反映されます。

自分に必要な量を覚え、食べ過ぎず、量を守ることが大切です。

主食に主菜、副菜を添えてバランスの良い食事に

1食の食事を主食、主菜、副菜に料理を分けると健康維持のための栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)をバランス良く摂取することができます。

主食はご飯、パン、麺などでエネルギーの供給源となります。主菜には肉、魚、卵や大豆製品などを使いたんぱく質や脂質の供給源となります。副菜は野菜を使った料理でビタミン、ミネラル、食物繊維を補う重要な役目となります。

味付けを工夫しておいしさUP!

レモン2

食事療法では高血圧や動脈硬化を防ぐため、塩分を1日7~10g以下に減らすことが必要になります。

しかし、味付けの工夫と調理法次第で、塩分が少なくてもおいしく食べることができます。

例えば塩を控えてレモンやお酢の酸味を利用して味にメリハリをつける、きつね色程度のうすい焦げ目をつけて香ばしさを出す、ニンニクなどの香りを利用して食欲をあおるなどの方法があります。

そこでこれらの方法でできる簡単なレシピをご紹介します。

*タラと野菜のレモン焼き(1人分)エネルギー182.2kcal塩分1.3g*

タラ 80g

玉ねぎ(薄切り) 30g

人参(千切り) 10g

ニンニク 1/2かけ(薄切り)

塩 1g

コショウ 適量

オリーブオイル 10g

レモン輪切り 5mmスライス1~2枚

作り方

1 タラに塩コショウをふって30分おく。

2 フライパンにオリーブオイルをしいてニンニクを炒める。

3 ニンニクの香りが出てきたら玉ねぎ、人参を炒める。

4 玉ねぎ、人参に火が通りはじめたらタラを入れ、炒める。きつね色の焦げ目を少しつける。

タラにレモンをのせてフライパンにふたをしてしばらく蒸し焼きにする。レモンがしんなりしたら出来上がり!

食べてはいけないものは特にない!

糖尿病の食事療法では自己管理ができていれば普通の人と変わらない食事ができます。食べてはいけないものなども特にありません。基本は適正エネルギー、栄養バランスを守り、偏食せずに規則正しく食事をすることです。今回ご紹介したコツを日常に取り入れて楽しく無理なく続けていきましょう。