糖尿病治療には目的があります!糖尿病の3大合併症である、眼底出血から始まり網膜剥離より起こる失明、腎臓の障害からくる透析、神経の障害からくる足の切断を防ぐためです。これらの悲惨な合併症はHbA1cを6.9%以下にコントロールすることで防止できます。

今回は、糖尿病治療に欠かせない食事療法について解説します。

目次

糖尿病治療のためには、まず「体型を標準に」しましょう

メタボ夫婦

糖尿病治療に必要なことは、まず“体型を標準にすること!”です。すなわち、BMI(ボディマスインデックス:体重kg÷身長m÷身長mを18.7~23.9kg/m2までにコントロールすることです。というのも、糖尿病の発症率は、BMIが24kg/m2以上になると2倍になることが知られているからです。

では、体型を標準にするためにはどうするか?そのために欠かせないのが、食事療法運動療法です。どちらも重要ですが、環境に左右されずに行えるのが食事療法です!運動は「時間がなくて…」「雨が降っていたから…」「暑くて…」「寒くて…」など言い訳をされる方が多く、あてにならないのが実情です。

まずは食事療法を!

キャベツの千切り

食事療法には、カロリー制限糖質制限の2つの方法があります。日本糖尿病学会では全体の食事量を均等に減らすカロリー制限を推奨しています。

適正カロリーを「標準体重(身長m2×22kg/m2)×運動強度(軽作業なら25、普通なら30、重労働なら35」で求め、そのカロリー内の3大栄養素のバランスも糖質50~60%、タンパク質30~40%、脂質10%程度の割合で摂ることが望ましいとされています。物足りない場合は、野菜を多めにとることで補います。実際に糖尿病教育入院での食事では、空腹感が強い場合にはキャベツの千切りを主にしたサラダが別に添えられます。

カロリー制限については、病院やクリニックの栄養士さんから栄養指導を受けた方が理解しやすいと思います。その後に、日本糖尿病学会編著の食品交換表を使われるとよいです。

糖質制限も有効

体重

しかし、カロリー制限が上手くいかなかったときには糖質制限も試すべき手段の一つです。

私自身は糖質制限を勧めています。血糖を上げる糖質、すなわち米・パン・麺類などの主食、イモ類・カボチャ・トウモロコシ、甘いもの、果物の1日摂取量を調節するだけの分かりやすい食事療法だからです。

簡単に言うと、1日3食のうちの朝食と夕食の主食を抜く、軽く行うなら夕食の主食を抜くだけでOKです!タンパク質のお肉・魚、野菜はいくら食べても構いません。これだけでも1~3kgの体重減少が得られます。食事療法なので当然お腹は減りますが、多くの方は3ヶ月で慣れてしまいます。

食事療法は3ヶ月が我慢のしどころです!私自身も2週間3食主食抜きでの糖質制限を試したことがあるのですが、3kgの減量に成功しました(私自身は糖尿病ではないのですが、患者さんに勧めるうえで試してみました)。

食事療法を行うときに覚えておきたいこと

カロリー制限にしろ糖質制限にしろ、間食はできるだけ避け、果物をどうしても食べたいなら1日量として手のひらに乗るぐらいを目安にして、朝か昼に摂るようにしましょう。

また、お酒は糖質の多いビールや日本酒を避け、糖質0の発泡酒か辛口ワイン、蒸留酒の焼酎・ウィスキーを選んで飲むようにしてください。当然、飲みすぎないように!