関節痛は歩くだけでも感じるため、日常生活とは切っても切り離せない症状の一つです。そのため、関節痛が一度生じると生活の質を下げることもあります。そこで、関節痛を予防する必要があります。

また、「関節痛がみられる病気とその特徴とは。原因は関節以外の可能性も!」という記事でも説明したように、数多くの病気が関節痛の病気を引き起こす恐れがあります。そこで、それらの病気をどの診療科が扱うのか、またそこでどのような検査を行うのかといったことを知っておいた方が適切な治療を受けることができるでしょう。

目次

普段の生活でもできる関節痛の予防方法

ウォーキングする夫婦
関節痛を引き起こしうる病気の中には予防できないものも存在します。しかし、肥満や運動不足など、日常生活の過ごし方によって関節痛のリスクを減らしたり、痛みを軽減したりすることが可能です。ですから、ここでは普段の生活でもできる関節痛の予防方法を紹介します。

1.適度な運動と体重のコントロール

関節痛を悪化させる原因に運動不足肥満があります。また、運動が不足すれば肥満になるリスクは上がり、また肥満になれば運動がおっくうになることもあります。つまり、これら2つの要因は互いに密接に関係があります。そのため、適度な運動を行い、体重をコントロールすることが重要となります。

具体的には、ウォーキング(※)を行う、食べ過ぎに注意するといった具合です。また、すでに関節に痛みがある場合は、関節にあまり負荷をかけない水中運動も効果的です。

ただし、負荷のかかる長時間のランニングなどは関節に負荷がかかってしまい、逆に関節痛を引き起こす恐れもあります。よって、「適度な」運動を行うことが重要となります。

※ウォーキングはあくまで予防効果はありますが、改善効果はそこまで期待できません。本来、関節機能の向上や除痛(痛みを取り除くこと)のためには筋力強化が大切です。適度な筋力トレーニングも取り入れましょう。

2.姿勢と、生活様式を見直す

姿勢が悪いと、通常では負荷がかからない部位に負荷がかかってしまいます。また、日本の生活には畳があるため、膝の曲げ伸ばしを行う頻度が多くあります。膝の曲げ伸ばしは膝に負担がかかりますので、テーブルと椅子に変えるなどの工夫をすると良いでしょう。

また、歩行時の姿勢もとても大切です。地面への足の着き方次第でもO脚の進行を防ぐこともできます。日常生活において足の着き方も意識することが大切です。補助になるのなら、杖やストックのようなものも使って、姿勢よく歩く習慣をつけましょう。

3.靴など、身につけるものに気を配る

自分の足に合った靴を履かないと、知らず知らずのうちに関節に負荷がかかっていることがあります。ですから、自分に合った靴を履きましょう。また、底に厚みのある靴は膝にかかる負担を軽減してくれますので、そういった種類の靴を履いても良いでしょう。

また、中敷きを変えることで地面への足の着き方も変化しますので気を配ってみてください。

4.体を冷やさない

体を冷やすと、血管が収縮してしまい、その影響が関節にも出てきます。関節痛を持つ人が雪国に行くと、関節痛の症状が悪化することもあります。ですから、体を温めるのは非常に重要で、手袋や靴下を履いたり、3840℃のぬるま湯につかったりすると良いでしょう。手袋や保温サポーターも手助けになります。

関節痛でかかるべき診療科と行う検査

関節痛は一般的な内科開業医で診ることもできます。しかし、関節痛の背景にある病気は関節リウマチや変形性股関節症など、より専門的な検査や治療を必要とする病気があります。こういった専門的な検査や治療は整形外科で行われます。ですから、関節痛があるときは整形外科にかかると良いでしょう。

関節リウマチなどの病気が疑われると、診断を確定するために以下のような検査を行います。

血液検査

関節リウマチなどの病気には上がりやすい検査値があります。具体的には、体内で炎症が起きていることを示す、CRP(C反応性タンパク)や赤沈、関節リウマチで上昇するリウマトイド因子、抗CCP抗体などを測定します。

画像検査

CTやMRIなどの画像検査では関節の変化を視覚的に診るのに有用で、関節が破壊されているかどうかなど判断するために使われます。

関節鏡

関節鏡では関節同士を包む関節包内を直接観察することで、画像検査よりも具体的な関節の変化、靱帯や半月板の状態を観察することが可能です。関節内の洗浄効果も期待できますが、関節鏡は上述の検査と異なり、特殊な器具を関節に入れるため、侵襲がある検査です。利益不利益をよく医師と相談し検査(治療)を受けましょう。

これら以外にも疑われる疾患に応じて、様々な検査が行われますが、上述した検査は関節痛を訴える方に対して良く行われる検査です。

まとめ

関節痛は日常生活の過ごし方と様々な病気が関わる症状です。また、お互いに悪影響を及ぼし合います。ですから、関節痛を防ぐために生活を変え、関節の痛みが生じたら早いうちに適切な治療を受けることが重要となります。その際に、この記事がお役に立てれば幸いです。