自治体から、子宮頸がんの検診や予防接種のおしらせが届いたことのある女性も多いと思います。そうは言ってもいったいどんな検査をするのか、どんなワクチンを打つのかが分からないと、なんだか怖くて足が遠のいてしまいがちですよね。今回は、子宮頸がんの予防と検診について解説します。子宮頸がんの症状や原因について知りたい方は、「子宮頸がんとは!?その原因と初期症状」の記事をご覧ください。

目次

子宮頸がん検診ってどんなもの?

子宮頸がんの発見のために行われるのは、パップテストまたはパップスメアと呼ばれるものです。

膣鏡を挿入して子宮頸部から長い綿棒で組織を少し擦り取り、顕微鏡を使って将来的にがんになる細胞がないか確かめます。痛みはありませんし、すぐに終了する簡単な試験です。検査結果が出るまでには1~2週間程度かかる場合が多いようです。

子宮頸がん検診は1年に1回が望ましいとされてきましたが、異常が見られない場合には2年に1回で問題ないと言われています。しかし、不正出血などの異常が見られた場合、医師と相談して次回の検査時期を決めましょう。性交渉の経験がある女性は、10代であっても検診を受けることをおすすめします。

一度検診を受けてみようと思った方は、ぜひレディースドックを予約してみてください(人間ドックのここカラダのページが開きます)。

子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がん予防ワクチンにはいくつか種類があり、9歳前後から接種することができます。ワクチンの接種は法で決められている義務ではありませんが、中学1年生になった年度に接種することが推奨されています。

我が国で認可されている子宮頸がんのワクチンには、サーバリックスガーダシルの2種類があります。

薬剤名 サーバリックス ガーダシル
対象年齢 10歳以上 9歳以上
接種方法 1回目の注射後、
1ヶ月後
6ヵ月後
合計3
1回目の注射後、
2ヵ月後
6ヵ月後
合計3回
接種部位 腕の上部に
筋肉注射
腕またはふとももに
筋肉注射
対象となる
ヒトパピローマ
ウイルス
ヒトパピローマウイルス
16型と18型
ヒトパピローマウイルス16型と
18型尖圭コンジローマ
(性器のいぼ)の
原因である6型と11型
費用 3回で45,000円前後 3回で47,000円前後

 

主な副作用

子宮頸がんワクチンの副作用としては、以下のようなものがあります。ワクチンの種類ごとに見ていきましょう。

頻度 サーバリックス ガーダシル
10%以上 痒み
注射部位の痛み・腫れ
腹痛
筋痛・関節痛
頭痛 など
注射部位の痛み・腫れなど
1~10%未満 じんましん
めまい
発熱 など
注射部位の痒み・出血
頭痛
発熱 など
1%未満 注射部位の知覚異常
しびれ感
全身の脱力
手足の痛み
腹痛 など
頻度不明 手足の痛み
失神 など
疲労感
失神
筋痛・関節痛 など

 出典:平成25年6月時点の厚生省添付文書を元にいしゃまち編集部作成

 痒み、注射部位の痛み、腫れ、腹痛、筋痛、関節痛や頭痛など一般的に見られる副作用ですが、その他にも深刻な副作用として、アナフィラキシー(呼吸困難、じんましんなどの重度のアレルギー)、ギラン・バレー症候群(手や足の力が入りにくくなる末梢神経の病気)、急性散在性脳脊髄炎 (頭痛、嘔吐、意識の低下などが発症する脳などの神経の病気)、複合性局所疼痛症候群 (外傷をきっかけとして慢性の痛みを生ずる原因不明の病気)などが挙げられます。

予防接種の後に異常がみられた場合、すぐに医師に相談してください。また特に異常がみられない場合でも、予防接種を受けた当日は激しい運動は避け、接種した部位を清潔に保ちましょう。

ワクチンの注意点

  • サーバリックスやガーダシルでは、ヒトパピローマウイルス16型と18型以外のヒトパピローマウイルス感染が原因による子宮頸がんには予防効果はありません。
  • 注射の時点ですでに感染しているヒトパピローマウイルスを治す効果や、すでに発症しているヒトパピローマウイルスに関連する病気の進行を止める効果はありません。
  • ワクチンをしても、子宮頸がん検診を受診したり、性感染症の予防に注意したりすることが大切です。
  • ワクチンの予防効果の有効期間は分かっていません。

上記のように、子宮頸がんのワクチンは義務ではありません。副作用や注意点をよく理解したうえで、受けるかどうかの判断をしてください。

最後に

子宮頸がんの治療において何より大切なのは、早期発見です。きちんと検診を受けること、不安な症状があったらすぐに医師に相談することがあなたの命を救うかもしれません。また、ワクチンについても正しい知識を得て、接種するかを検討してください。