働き盛りの30~50代で発症しやすい病気の一つとして「メニエール病」というものがありますが皆さんご存知でしょうか?

めまいの発作が繰り返され、放置すると難聴なども引き起こしてしまう病気です。命にかかわるものではないものの、日常生活を送るうえで非常に厄介な病気です。

そこで今回はメニエール病に使われる薬について詳しくお伝えしたいと思います。

目次

そもそもメニエール病とは?

メニエール病は原因不明の内耳の内リンパ水腫により回転性めまい耳鳴りなどを引き起こす病気であり、このめまいの発作は30分~数時間続きます。発作の起こる頻度は人によってまちまちで、週1回の人もいれば年1回の人もいます。

しかし内耳の内リンパ腫といってもよくわからないですよね。

耳は外耳・中耳・内耳の3つに分かれており、内耳は耳の一番奥の部分です。この内耳では音や体の回転、平衡感覚を感じ伝える部分があり、その内部はリンパ液といった液体で満たされています。

体が動くことでこの液体の流れ方が変わり、その流れ方の違いで平衡感覚などを脳に伝えています。しかしメニエール病ではこの液体が増えて内耳がパンパンに膨らむため、平衡感覚が失われめまいを引き起こすのです。

なぜ内耳内の液体が増えるのかわかっていませんが、ストレスなどが原因の一つではないかといわれています。

メニエール病に使われる薬

くすり

上記でも伝えた通りなぜ内耳内の液体が増えるのかは原因不明であるため、メニエール病に使われる薬は根本的にメニエール病を治すものではありません。

内耳内の液体を減らしたり、血流やリンパの流れを良くしたりすることで症状の改善を期待するものです。

イソソルビド(商品名:イソバイド、メニレットなど)

体の中の余分な水分を外に出す薬利尿剤です。排尿を促すことでパンパンになっている内耳内の水分を外にだして内耳の水膨れを改善します。

発作時にも用いられますが、発作が起こっていないときの発作予防や聴力の回復を目的としても処方される薬なので、毎日の服用が必要になります。イソバイドは液体の薬であるため、500ml瓶や1回ずつ分包されたものが存在します。外出が多い方などは分包品で出してくれるよう医師・薬剤師に相談してみてください。

また人によっては飲みにくいと感じる場合がありますので、そういった場合は冷水で2倍程度に薄めて服用したり、少し凍らせてシャーベット状にしたりするなど工夫してみてください。

またメニレットはゼリーであるため、飲みにくい方、持ち運びしたい方には使用しやすいでしょう。

副作用:吐き気や下痢、食欲不振、頭痛、発疹など

アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物(商品名:アデホスコーワ顆粒、トリノシン顆粒など)

内耳の血管を広げて血流やリンパの流れをよくして内耳の水膨れを改善させます。

めまいの緩和や発作の予防、難聴の改善を目的として使用されます。発作予防のため、他の薬と並行して処方される場合が多いです。

副作用:悪心・食欲不振・頭痛・耳鳴りなど

メコバラミン(商品名:メチコバール)

メコバラミンはビタミンB12であり、末梢神経障害を改善するビタミンとして様々な場面で用いられています。

内耳内の前庭神経障害の改善を目的に使用されます。

副作用:食欲不振、吐き気、下痢など

ステロイド剤(プレドニゾロン 商品名:プレドニンなど)

重症で、難聴が急速に進む場合などに用いられ、炎症などを抑えることで症状を改善します。服用期間は2週間でこの間に徐々に薬の量を減らしていきます。服用期間が短いため副作用などの心配は少ないですが、服用方法がすこし複雑になりがちなので、必ず医師の指示通りに服用してください。

副作用:短期間服用なので副作用は少ないですが、ステロイドを続けて服用すると高血糖、免疫低下、眼圧上昇、胃壁障害などが生じる恐れがあります。飲み始めでは、精神不安、不眠、食欲増進、下痢、吐き気などが起きやすいとされています。

まとめ

ストレスが原因の一つとされているメニエール病、働き盛りの年代に発症してしまうと仕事や家庭に影響を及ぼすのは必至です。しかし発作が起こらないときは普通に生活できるため、ついつい薬の服用をやめてしまうといったことも少なくありません。

メニエール病は放っておくと難聴になり、耳が聞こえなくなることもあります。そのため一度発作をおこしたのであれば病院にかかりしっかりと診察してもらう必要があります。

またメニエール病の方は普段から必要以上の水分・塩分は控えストレスをため込まないよう意識して過ごしていきましょう。